神社で止まる津波2

リビアカダフィ体制がほぼ瓦解し、首都トリポリの「緑の広場」で国民が、カダフィ打倒を叫んでいる。
4年前の8月31日、私は緑の広場で、何万人もの民衆がカダフィを称えながら行進するさまを撮影していた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20070902
そのあと、カダフィの後継ぎと言われた次男のセイフ・イスラム氏を追いかけて、マイクを突きつけた。若いのに自信たっぷりで、「改革」を主導していた。
セイフ氏は反政府側に身柄を拘束されているという。
あのリビアが・・と感慨深い。
相当混乱するだろうが、住みよい国になってほしい。
また、リビアが欧米の圧力に屈し、核開発を放棄した本当の理由など、まだ明らかになっていない裏面史が表に出ることを期待したい。

さて、20日放送の報道特集の特集「神社が止めた津波」だが、視聴率が気になっていた。
このところ、報道特集の視聴率は低迷しており、先週13日は3.9%とどん底
しかも20日は裏番組が6時半開始の日テレ「24時間テレビ」。6時18分からの神社特集が正面からぶつかるのだ。責任重大だ。
視聴率なんてどうでもいいじゃないか!と野次が飛んできそうだが、視聴率は我々の成績表。お客さんを引き付けなければ次から仕事の口がかからない。これは、他の商売と同じである。
結果は、番組の平均視聴率が7.5、ピークは神社特集で10%に達していた。よかった!
視聴者には非常に好評だったようだ。
タイミングもよかった。ちょうど人々が、昔の災害に関心を持ち始めてきた時期である。
番組翌日、NHKがこんなニュースを報じた。
岩手県宮城県三陸海岸で、過去にも1000年に1度程度の割合で巨大な津波が繰り返し襲っていたとみられる痕跡が、新たに見つかりました。これまで謎とされてきた1100年余り前の大津波も、ことし3月に匹敵する巨大地震によって引き起こされていた可能性が出ていて、専門家は今後の防災対策などに生かすべきだと指摘しています。
北海道大学の平川一臣特任教授は、岩手県から宮城県にかけての三陸海岸で地層に残された過去の津波の痕跡を調べました。その結果、宮城県気仙沼市大谷海岸では、標高2メートルほどのくぼ地の地層から、津波で運ばれたとみられる大量の丸い石などを含んだ層が5つ見つかりました。石などを含んだ5つの層は、およそ5400年前の火山灰の層の上に、黒い土の層と交互に重なっていて、過去5000年余りの間に積もったものとみられています。また、岩手県宮古市田老地区でも、海岸から170メートル離れた、標高17メートルのくぼ地で、明治三陸地震など比較的新しい時代を含む、津波で運ばれたとみられる層が6つ見つかりました。平川特任教授は、岩手県宮城県の沿岸では、ことし3月のような巨大な津波が、1000年に1度程度の割合で繰り返し襲っていたとみています。東北の太平洋沿岸では、1100年余り前に起きた「貞観地震」による大津波の痕跡が、宮城県福島県の内陸で見つかっていました。しかし、北側の三陸海岸では、はっきりした痕跡が見つかっていなかったため、「貞観地震」の規模はマグニチュード8.3前後と推定されていました。今回、三陸で見つかった痕跡が「貞観地震」の時期と一致すれば、東北の広い範囲に巨大な津波が押し寄せていたことになり、「貞観地震」が、3月の地震に匹敵するマグニチュード9クラスの巨大地震だった可能性が出てくることになります。平川特任教授は、『古い津波を調べてきた者として、震災の前に十分な責任を果たせず、残念に思う。私たちは改めて過去の津波を調査していく必要がある』と話し、今回の成果を今後の防災対策に生かすため、政府の地震調査委員会などに報告することにしています」。

こうした情報がどんどん出てきそうだ。
産業技術総合研究所宍倉正展氏が番組で、地層のサンプルを手に、「1000年に一度くらいの周期で大津波が来ていたことが分かっていた。あながち、想定外とはいえない」と語っていたが、この認識は他の分野の人々に共有されていないし防災にも反映されていない。NHKニュースで平川教授が「震災の前に十分な責任を果たせず、残念に思う」と言っているのは、そのことを指しているのだろう。
今回の震災で注目を集める「貞観地震」とは何か。
(つづく)