チェルノブイリから学ぼう

早いものでもう震災3ヶ月。
きょうは、慰霊祭や原発反対デモをテレビニュースでちらちら見ながら、チェルノブイリ動画を再編集していた。
ネットに上げたら、地上波以外のテレビ局が放送したいと連絡してきたのだ。
そのほか、ラジオ出演、講演会、出版の話などが持ち込まれ、取材したいというジャーナリストからの問い合わせなども来て、急にせわしくなった。
これは、たくさんの人が、「フクシマ」の教訓としての「チェルノブイリ」情報を求めていることを示すのではないか。
「フクシマ」が「チェルノブイリ」をそのままなぞっているかのような事柄は多い。
チェルノブイリ事故のあと30キロ圏を立入り禁止にしたが、その後、実際の汚染土壌を計測したら不規則に大きくはみ出ていることが判明。大掛かりなその調査結果にもとづいて「再移住」が行われた。日本では、飯舘村の「計画的避難」で同じことが繰り返された。
これを「デジャブ」だと以前書いた。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20110415
チェルノブイリ」の経験をしっかり学べば、福島の事故への対策を先手、先手で立てられるのにと思う。
福島の原発事故で避難した人々が、「いつ避難生活が終わるかのメドを示してほしい」と国や自治体の幹部に迫る様子がテレビなどで出てくる。
それを当然のことのようにメディアも報じるのだが、チェルノブイリの経験からすれば、かなりの広さの地域が「立入り禁止地区」になって、永久に、少なくとも10年単位で無人地帯になるはずだ。放射性セシウム半減期が30年だから、当たり前の話である。
分かりきったことに目をそむけてはいけない。つらくとも事実を踏まえて考えなくては。
ところで、先日、私の元部下で今は福島市に妻と小さい子ども二人と暮らすK君が訪ねてきた。彼は、自分で放射線測定器を持っていて、毎日自宅周辺を測っている。
「家の中が0.5から0.6。家の外で、3の後半、3.6とか3.7が普通に出ますよ」という。単位はマイクロシーベルト/時だ。新聞に載る数字は、福島市は1.3とか1.4なのだが。
3の後半といえば、チェルノブイリ原発の爆発した4号機のすぐ裏200メートルと同レベルである。また、5月の連休に、飯舘村を通過したとき、そのくらいになったのを覚えている。
福島市では、外で遊ぶ子どもの姿が全く見られないという。この状態をこのままにしておいてはならない。
汚染度によって線引きをして、除染、移住、補償などの長期対策を決めなければならない。
そのためにも、チェルノブイリの経験は、政治家や行政官にしっかり学んでほしいと思っている。