花束少女の謎5

金賢姫は、日本テレビの23日のインタビューで、少女時代の自分の写真を見せられた。
彼女はそれを見て、パっと明るい表情になった。だが、驚いた様子はなかった。実は、彼女はすでに私たちが制作した番組を観ていたのである。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20081126

 2008年10月に、金賢姫は沈黙をやぶり、李東馥(イドンボク)北朝鮮民主化フォーラム常任代表に長文の手紙を書いて、自分をにせもの扱いした韓国政府とマスコミを批判した。手紙に韓国のテレビ番組の酷さと対比する形で、こういう一文が出てくる。
 《2004年3月下旬頃、日本の日本テレビ系列「ニュースプラス1」がKAL機事件と関連して、「金賢姫17年間の真実」という題名の特集を二日間放映しましたが、この番組では担当捜査官が明らかにする極秘捜査資料として拉致された日本語先生李恩恵とともに生活した招待所の周辺環境や、招待所内部構造など私が作成した詳細な図表を公開しました》
http://www.sukuukai.jp/report.php?itemid=1734
 私たちが作った番組を、金賢姫は高く評価していた。その後、どういうルートからかは分からないが、「読売ウィークリー」に載った写真も入手したという。
 
 そもそも田口八重子さんの拉致は、金賢姫の自供から分かったこと。北朝鮮が、八重子さんの拉致は認めて、金賢姫の存在にしらを切るのは大矛盾だったのだが、最近、あれっと思うニュースがあった。
 北朝鮮政府の要人が、金賢姫北朝鮮の人間であることを認める発言をしたのだ。
 《ARF=ASEAN地域フォーラム出席のためベトナムハノイを訪問している北朝鮮の代表団の一人が、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員について「国と家族を裏切った」と初めて言及しました。
 北朝鮮の代表団の一人は、ANNの取材に対して「(金賢姫工作員は)国と家族を裏切った者だから話したくない」と述べました。北朝鮮はこれまで、1987年に起きた大韓航空機爆破事件以来、一貫して「事件はでっち上げだ」と主張していて、また、金元工作員の存在についても認めていませんでした》テレビ朝日
 これは失言なのか、開き直りなのか。有田芳生さんは、意図的な発言かもしれないと注目している。http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/cat4724794/index.html

 金賢姫が日本にいる間、横田さんたちにも、またテレビインタビューでも、繰り返した発言がある。

 事件の後、自殺を企てたがたまたま助かった。私が生かされたのは、北朝鮮のテロや拉致を証言する使命のためだったのではないか・・

 金賢姫には、ぜひ、その使命に殉じてほしいと思う。