先週のニュースから

takase222009-10-25

ゆうべ、新宿三丁目の「薩摩おごじょ」で有田芳生さんと久しぶりに飲んだ。
入ると「おさいじゃったもんせ!」(いらっしゃいませ)と声がかかる。
去年、ジン・ネットが制作協力したフジTVの「なでしこ隊http://www.fujitv.co.jp/nadeshiko/story.htmlに、鹿児島県知覧「富屋食堂」の主で「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメさんが登場、薬師丸ひろ子が熱演した。「薩摩おごじょ」は、トメさんの二女の赤羽礼子さんが、元特攻隊員らが集る場所としてひらいた。
礼子さんは4年前に亡くなり、今は息子さんの潤さんが店主を継ぐ。客が質問すると、アルバムや資料をひろげ、特攻と「富屋食堂」の歴史を懇切丁寧に説明してくれる。
写真はお店に立つ生前の礼子さん。
さて、先週のニュース記事で気になったもの。
1)朝日新聞19日(月)より;
《90年に女児(当時4)が殺害された「足利事件」で、再審開始が決定した菅家利和さん(63)について、宇都宮地検が捜査段階で、DNA型鑑定の確度が低いため「自白」がなければ逮捕できないという方針を警察に示していたことが、朝日新聞が入手した内部資料でわかった。(略)
 朝日新聞が入手した内部資料は、一審公判中の92年3月に、宇都宮地検が上級庁あてに作成した捜査報告書。弁護側がDNA型鑑定の信用性に疑問をさしはさんで証拠採用に同意しなかったため、公判に鑑定人を呼んで証人尋問する直前の時期だった。
 捜査報告書の中で、地検は菅家さんを逮捕・起訴する前の捜査の経過を記載。DNA型鑑定の結果が「確率としては1千人に1.244人」と低かったため、「ただちに被告人を検挙するには問題が残る」として、警察に「被告人を任意で調べて自供が得られた段階で逮捕するよう指示した」と書かれていた。 》
警察は確度が低いことを知ったうえで菅家さんを犯人に仕立て上げたことが証明されようとしている。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090725
2)日本経済新聞20日(火)より;
《機械メーカー各社が中国で工作機械や樹脂加工機の現地生産を始める。三菱重工業は来年度から自動車など向けの歯車加工機を量産。コマツは来年度金属加工用プレス機を、ソディックは精密プラスチック部品の加工機械を生産する。中国は2007年に工作機械で日米を抜いて世界最大の市場になった。設備投資回復が遅れている日本より中国市場を優先し、現地生産で収益確保を急ぐ。(略)》
先日、クボタがついにエンジンなど高度技術の基幹部品まで中国やインドで現地生産する動きを書いた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20091004
続いて機械メーカーもとなると、これまで輸出の花形だった産業はみな空洞化していく。 
政府は緊急雇用対策として、求職中の貧困・困窮者や新卒者への支援など「緊急的な支援措置」と介護や環境関連事業の雇用など重点分野ごとの「緊急雇用創造プログラム」の二つを出した。これはこれで必要なのだが、将来の日本の成長産業をどう育てるのかという戦略づくりも急いでほしい。
3)毎日新聞23日(金);
《21日付の米紙ワシントン・ポストによると、ABCテレビとの合同世論調査で、アフガニスタンへの4万人規模の米軍増派について、49%が反対、47%が賛成し、世論を二分する結果となった。》
大統領選ではカルザイ票に不正が多くみつかり、決戦投票の実施が決まった。ベトナム戦争末期のような泥沼へとますます近づいていくようだ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090819
この状況のなかで、日本は「民生支援」を進めると政府は言っている。これは、カルザイ政権を支えるという意味を持つのだが、本当にこういう施策でよいのか、非常に疑問である。