27日(月)の午後、旧知のフォトジャーナリスト桃井和馬さんhttp://www.momoikazuma.com/のトークショーに行った。
写真は、ルワンダの頂上まで耕された山を見せながら、民族や宗教が原因だと言われている紛争のほとんどは、実は資源や土地の奪い合いから起きると説明する桃井さん。彼は十年ほど前から、環境破壊が戦争を起こすと主張している。ちょっと単純化しすぎではないかと以前から議論しているが、ルワンダ虐殺やアフリカの紛争の多くに当てはまりそうで事実の重要な一面を突いている。ビジュアルにも分りやすく、子どもに環境の重要性を説くときなど有効なアプローチだと思う。
きょう、トークショーをやったのは、桃井和馬さんのほか、北極圏の赤ちゃんアザラシの写真で知られる小原玲さんhttp://www.reiohara.com/そしてチベット取材をながく続けている野田雅也さん。これは、彼ら7人の写真家が《Eyewitness 目撃者たち》というグループhttp://www.eye-witness.jp/の立ち上げイベントだった。
きのうのトークショーに続いて、きょうは記者会見があった。以下はプレスリリースより;
《地球環境を伝える写真家集団
「EYEWITNESS 目撃者たち」が始動。
ある者はフォトジャーナリストとして、 ある者は自然写真家として、 人間社会のありようや、 自然本来の姿を追い続けてきました。 その中で、地球上の様々な光景を目撃しました。環境を守り、自然本来の姿を次世代に伝えるために、 私たち写真家は今、何ができるのか?その答えとして、私たちは「EYEWITNESS 目撃者たち」というプロジェクトをスタートさせたのです。子どもたちと未来を担うすべての人々に「未来への伝言」を伝えます。》
すでに先月には群馬県の三つの小学校と東京の桃井さん、名古屋の小原さんをインターネットで結んでライブ環境授業を行なった。二人の写真家が三教室に向けてフォトスライドショーを行なったあと、子どもたちとの画面を通しての質疑応答で盛り上がったという。その他、写真パネルなどの無償貸し出しなども行なうという。
トークショーのあと、何人かで一緒に飲んだ。
いま報道写真を取り巻く状況は非常に厳しく、若手のフォトジャーナリストはほぼ壊滅状態だといわれている。野田さんが30台半ばで、「絶滅危惧種」などとからかわれている。しかし、酒の上での彼らの話題は暮らしの大変さではなく、自分が見てきた素晴らしい光景であり、環境破壊を放置する社会への義憤である。
新聞やテレビ局の社員が、酒の席で、熱く世の中を語るということがまれなのに対して、彼らのこの一途さは何だろう。仕事で写真を撮るだけでなく、さらに、子どもたちに未来への伝言を伝えようと活動するとは・・・。
生き生きと語る彼らを見て、私もがんばらなくちゃと思う。元気をもらう、というのはこういうことなのだろう。