もう一つの怪しいDNA鑑定

takase222009-07-28

足利事件の日垣さんの記事を読んでいると、どこかで似たような話を聞いたな、という思いがした。
特定失踪者、「山本美保さんのDNA鑑定」事件だ。
山梨県甲府市に住む山本美保さん(当時20歳、写真)は1984年6月、「図書館に行く」と家族に言い残して行方不明になった。その4日後、美保さんのセカンドバックが新潟県柏崎の海岸で発見された。当時は日本では「拉致」という認識はなく、家族は「家出した」と思い悲しみにくれていた。
2002年になって、さまざまな拉致事例が明らかになり、美保さんの家族や友人が拉致の可能性があると活動をはじめた。政府認定の拉致被害者以外の支援グループとしては最も積極的な活動を繰り広げていた。
警察は03年の5月に、DNA鑑定を行なうことは告げずに美保さんの双子の妹、美砂さんの血液を採取。翌04年3月、突然、山形の死体と美砂さんのDNAが一致したと警察から家族に連絡が入った。これは、84年美保さん失踪後に山形県の海岸に打ち上げられていた身元不明の死体のことだ。この結果、美保さん救援活動は潰れた。
しかし、その後、家族や特定失踪者問題調査会などが確認作業を進めたところ、多くの矛盾点が見つかった。そもそも、その死体が着ていた下着やジーンズなどが美保さんよりずっと細身の人用だったのだ。美保さんと美砂さんは一卵性の双子で、サイズも同じなので、この点ははっきりしている。死体のネックレスも美保さんのものではないと家族は言う。
警察は死体のDNAは保存されていた骨髄から採ったというが、それは検査で使い切ってもう無いという。鑑定書はプライバシーを盾に家族にも見せない。
支援者たちは、背景に、拉致問題の幕引きをはかる政治的な意図がある可能性を指摘する。この場合、美砂さんの血液が二つに分けられ二人のDNAとして鑑定された疑いが出てくる。背筋の寒くなる話である。
DNA鑑定自体は、足利事件当時とは比較にならないほど精緻なものになっている。問題は警察の体質である。DNA鑑定以外に決め手がないことや、再鑑定を封じていることなど、何やら足利事件を連想させる。
次の政府は、この問題で警察に情報開示をさせるべきだ。
http://araki.way-nifty.com/araki/2009/06/post-027f.html
http://web.me.com/k.yasushi/YAMAMOTO_MIHO/Shinjitu_2.html
http://www.chosa-kai.jp/shiryou.html
http://trycomp.org/blog/index.php?e=107