めぐみさん拉致から35年

takase222012-11-15

横田めぐみさんが拉致された11月15日がまたやってきた。
横田めぐみさんが新潟市北朝鮮に拉致されて35年となる15日、同市で救出を願う集会が開かれ、講演した母早紀江さん(76)は「どうして35年間も放置されなくてはならないのか。元気で朗らかなめぐみを返して」と言葉を詰まらせた。
 父滋さん(80)は「ボールを投げて返ってくるのを待つばかりで、積極的に『返してくれ』と言わないのは不思議に思う」とする一方で、モンゴルで15日に始まった日朝局長級協議について「交渉しなければ解決できない。期待している」と話した。》(毎日新聞
滋さんはきのうで80歳になった。
毎年この日が来ると、まだめぐみさんはまだ帰らず、拉致問題が解決していないことを申し訳なく思う。
局長級協議が開かれたと言っても、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」というスタンスを変えていないので、普通に考えれば大きな期待はできない。ただ、北朝鮮は、気まぐれであっても、指導者がこうと決めればその方向に動くので、いつもサプライズの可能性は残されている。
日本側には、首相も拉致担当大臣もころころ変わる政治では、腰をすえた交渉や取り組みが難しいという問題がある。総選挙が決まって、政界は流動化しそうだ。
ところで、このところ、特定失踪者家族が活発に動いている。
北朝鮮による拉致事件解決への協力を求めるためスイス・ジュネーブを訪問中の拉致被害者家族らが9日、国連人権理事会の強制的失踪作業部会で意見陳述した。8日(日本時間9日未明)には日本政府主催のシンポジウムに出席し、国際社会が連携する重要性を訴えた。
 陳述したのは、田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(74)と松木薫さん=同(26)=の弟、信宏さん(40)、拉致被害者を調べている「特定失踪者問題調査会」が「拉致濃厚」としている特定失踪者、木村かほるさん=失踪当時(21)=の姉、天内(あまない)みどりさん(79)。
 被害者家族は2001(平成13)年、作業部会に拉致事件を調査議題として取り上げるよう申請し、その後受理された。今回の訪問では改めて拉致事件の残酷さを訴えて協力を要請するとともに、シンポジウムなどを通じ、欧州社会で拉致事件に対する関心を高める狙いがある。
 03年に続く2度目の陳述となる飯塚さんは、拉致事件の経緯を説明し「(被害者は)今も北朝鮮で助けを待っている。ご尽力をいただきたい」と協力を要請。終了後、「(作業部会は)拉致事件について継続して調査をしてくれていると思った」と感想を話した。
 8日のシンポジウムには、各国の大使らが駆けつけ、100人の定員を上回る約160人が出席。しかし、参加者の多くは拉致事件を詳しく知らず、欧州社会ではまだ関心が低い様子がうかがえた。最近になって拉致事件を知ったというフランス人女性(50)も「拉致事件を知らない人が多いことが、解決に向けた状況を厳しくしていると思う」と指摘した。》(産経新聞9日)
8月、特定失踪者、藤田進さんの弟さんが国連人権理事会の作業部会に訴えて、調査議題として受理されているのに続いて、今回は木村かほるさんのお姉さんが訴えたわけである。
それでも拉致問題は、まだまだ世界には知られていない。もっとさまざまな方法で国際問題にしていかなくては。