イランで捕まっていた米国籍のフリー記者が釈放された。
「イランの上訴裁判所からスパイ行為で執行猶予付きの有罪判決を受け、約３カ月半ぶりに釈放された米国人ジャーナリスト、ロクサナ・サベリさん（３２）が１２日、テヘランの自宅前で「両親と再会できて幸せです」などと語った。
無実を訴えているサベリさんは「事件のことを調べ、記事を書いてくれたすべての人に感謝します」とも述べた。４月中旬から約２週間、釈放を求めてハンガーストライキをしたが、体力は回復しつつあるという。
サベリさんは父がイラン人で、母は日本人。米国で生まれ育ち、米とイランの二重国籍。事件は断交中の米国とイランが対話を探る中で、両国間の懸案となっていた。」（朝日新聞）
とりあえずよかった。
続いてまたイラン人の話である。
テレビ朝日系夕方ニュース「スーパーＪチャンネル」の「新東京見聞録」で3人の外人が町を歩くコーナーがある。何気なく観ていて、そのなかのリーダー格の女性タレント（写真）に惹きつけられるようになった。まず、取材対象者のあしらい方が抜群に上手く、リポートしながらどんどん突っ込んでいくのに嫌味がない。何かを食べたり観たりしたときの感想がすばやく的確で頭のよさを感じさせる。声の質もいい。ハリもツヤもあって耳に快い。そのうえ、とっても可愛いのだ。
気になって、どんな人物なんだろうと調べてみたら、イラン人で名前はサヘル・ローズ、愛称は「さっちゃん」。ここ一年くらいで一気に注目を集めてきたらしい。去年の夏、以下の人気番組に立て続けに出て「ブレイク」したようだ。
「行列のできる法律相談所」 (日本テレビ系) 2008年7月20日
「踊るさんま御殿 」(日本テレビ系) 2008年7月29日
「クイズ!ヘキサゴンII 」(フジテレビ系)2008年7月30日
日本テレビ「ザ・サンデー」で滝川クリステルをもじって「滝川クリサヘル」を名乗り、これで全国的に知られるようになったようだ。先月には「徹子の部屋」にも出て、ますます人気が加速しそうだ。
コミカルで明るいお嬢さんかと思ったら、彼女の経歴を知って驚愕した。
「イラン・イラク戦争で生家が空爆に遭い、両親と10人いた兄姉をすべて失い、4歳で孤児になる。倒壊した家のがれきの中から当時大学生の現在の養母に助け出される。
孤児院で生活した後に養母に引き取られるも、家柄の違いから養母が実家から勘当を言い渡され、知人男性を頼って8歳のとき日本に移住。養母に職が無く赤貧の生活を余儀なくされ、通っていた小学校の給食しか食べるものがなかった時に、その給食の調理師と親しくなり生活のサポートを受けることになり、次いで校長による補習授業で日本語を学ぶ。10代になるころ芸能界に入り、モデル、ラジオ番組の出演を経てテレビ番組にレギュラー出演するようになる。東海大学卒業。家族は養母のほかに義姉が1人いる。」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA
彼女のオフィシャルサイトを開くと彼女がなぜ女優になりたいかが書いてある。
《皆さん・・・初めまして＆こんにちは！
私の夢は人々を暖かく楽しい気持ちにできる役者になる事。
私は、お母さんのために一日も早く自分の夢に近づきたいのです。
私は、4歳の時にイラン・イラク戦争によって実の家族を全員失ったのです。
何もかも失い独りぼっちになった私を養子として育ててくれたのが、今のお母さんなのです。
私は今の母に恩返しがしたい。そのために今を一生懸命頑張っています。》http://sahel.mlacky.net/index2.html
さっちゃんの明るい笑顔のかげに大変な人生があったのだなあ。私は体質的に浪花節なので、こういう話にはすぐに感動し同情してしまう。今年になって『戦場から女優へ』という本を文藝春秋から出したという。さっそく読まなくては。それにしても、イラン人にはすごい才能がたくさんいるものだ。
サイトを検索していたら、彼女がパレスチナについてトークするというユニークな映像があった。対談相手は、ムスリムの戦場写真家、村田信一さんだ。非常に危険な場所に出没する人で、彼とは一緒にパレスチナの番組を作ったことがある。最近ご無沙汰していたが、元気な顔を久しぶりで見た。村田さんは寡黙なので会話がはずんでいるわけではないが、さっちゃんの魅力はよく分る。23歳の日本人タレントでここまできちんと話ができる人はあまりいないだろう。ぜひご覧下さい。http://www.groovinhigh.tv/video/muratatalk001
冒頭、さっちゃんが「滝川クリサヘルです」とものまね芸をしたときの村田さんのとまどった表情。こっちのほうが面白くて笑ってしまった。
