2、3年前のこと、公園に菊のような花が咲いていて、それが春菊と知った。八百屋でしか見たことがなかったので意外だった。春に咲くから春菊だという。種を買ってプランターに植えたら写真のようにちゃんと花をつけた。可愛い花である。
北朝鮮が打ち上げた人工衛星は順調に地球を回っているらしい。
《朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンは7日、人工衛星「光明星2号」の打ち上げから1カ月が経ったことで要旨次のような談話を発表した。
「光明星2号」が軌道に進入して正常稼動を始めてから1カ月が過ぎた。(略)470メガヘルツで地球に電送する「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」のメロディーと衛星資料に関する観測を通じて、そして地上に展開された軌道追跡探知機をはじめとする測定手段によって、衛星が正確に軌道に進入したことを確証した。衛星から送られる各種の計測資料を受信、分析した。地上管制所から送る操縦指令に従って衛星の作動状態を変更させ、地上の各地域に展開されている中継通信所で衛星を通じた中継通信試験が成功裏に行われた。われわれがすでに公開した通信周波数帯域で正体不明の電波障害が強く生じたが、衛星観測と管制試験は正常に行われた。(略)》[朝鮮新報 2009.5.13]
まさに幻の衛星。98年の「光明星1号」のときとそっくりだ。
《金正日総書記の宇宙開発構想に従い、共和国の科学者、技術者らが初めて開発して打ち上げた人工衛星「光明星1号」は現在、予測された軌道に乗って地球を周回している。8月31日午後12時7分に打ち上げられた人工衛星「光明星1号」は、9月13日午前8時24分から11時17分の間(平壌時間)に100周目に達した。
人工衛星は、100周回目を共和国の上空220キロメートルの高さで通過したが、午前11時17分現在、黄海北道沙里院上空を過ぎ11時18分には南朝鮮江原道江陵上空を通過。通常、220キロメートル程度の上空で人工衛星が通過すれば、肉眼でも観察できる。しかし、今回、衛星が100周目に共和国上空を通過した時間は昼間であった。昼間に星を見ることができないように、肉眼で観察することはできなかった。だが、科学機材によって衛星の共和国上空通過は正確に観測された。
100周目の周期は、太平洋上の米国ハワイ島の北部上空から南米諸国を経て大西洋を横断し、ナミビア、アンゴラ、民主コンゴ、エチオピア、パキスタン、中国、共和国上空を通過した。
「光明星1号」は、10月初めごろ、肉眼で観察できる時間帯に共和国上空を通過するものと予測される。》(朝鮮通信)
はじめから「無い」ものを、国営通信社があくまで「ある」と言い続けるのである。あまりの異様さに、笑うというより気持ちが悪くなる。北朝鮮が「普通の独裁」でないことはこういうところで明らかになる。ミャンマーの軍事政権も、国際刑事裁判所が大統領に逮捕状を出したスーダンでも、こんなことはとてもできないし、やらない。
そういえば、北朝鮮では、自然現象まで偉大な指導者にひれ伏すのだった。以下は3年前の金正日の誕生日のニュース。
《ラヂオプレス(RP)によると北朝鮮の朝鮮中央放送や平壌放送は十六、十七の両日、首都の平壌などで神秘現象が見られたとし、まず十六日朝、平壌などでは「太陽に特異な半円形の日がさ(光輪)が生じ、太陽の周りに七色に美しく輝く光」が現れ、それは「敬愛する将軍(金総書記のこと)の誕生に二月の空が繰り広げる祝賀の花束のようだった」と伝えた。
放送は「これは前例のない現象で、敬愛する金正日将軍が天の生んだ偉人であるため、天もその誕生日を知って祝賀のため珍しい光景を繰り広げたのだ」と気象台関係者の話も紹介している。平安南道新陽郡では十六日朝、空が急に晴れ、町の中心部にある金日成像の上空に三つの虹がかかり人びとを驚嘆させたという。放送は、虹を目撃した大衆が「単に自然の調和とだけ考えることはできない。天もわが将軍の誕生日を慶祝してこのように美しい虹をかけたのだ。将軍は真に天が生んだ名将だとして興奮を抑えきれなかった」と述べたと伝えている。》(産経06年2月)
イランのアフマディネジャド大統領がときどき神がかりの発言をするが、すぐにメディアで風刺の対象とされ、笑い話にもなる。かつて、ベトナムのホーチミンも個人崇拝されたと言ってよいが、自然を動かす偉大な力を喧伝されたことはなかった。
北朝鮮は「普通の国」でないばかりか、「普通の独裁」ですらないのである。