サンプロで特集「銃犯罪はなぜ続発するか」をオンエア。放送後、テレビ朝日社内で知り合いから「面白かった!」「渾身の取材でしたね!」と次々に声をかけられた。リポーターの大谷昭宏さんから昼メシを誘われたが、大事なアポがあったのでお断りし、国分寺駅8階Lホールへ。
「矢島助産院開業20周年記念パーティ」に参加した。今では《カリスマ助産婦》として知られるという院長の矢島床子(やじま・ゆかこ)さんだが、実は私の娘は彼女に取り上げてもらったのだ。いま、4月施行の「改正医療法」によってたくさんの助産院が廃業に追い込まれようとしている。私も黙っておられず、取材かたがた激励に行ったのだ。(助産院のホームページはhttp://www.yajima-j.net/)
会場は矢島さんにお世話になった親子でいっぱい。400人くらいはいただろう。マイクを持った矢島さん、はじめから感激の面持ちで、「おかげさまで、3300人以上のお子さんの誕生に立ち会って・・・」と話し始めたら、感極まって言葉に詰まってしまった。写真はそのときの彼女。矢島さんは泣き虫なのだ。
「《かしこいお母さん》にならなくていいんです。とにかくお子さんを可愛がってください」。いかにも矢島さんらしい挨拶だった。
私はといえば、きょうは朝方まで編集に立会い、先週は「報道ステーション」の放送もあって寝不足で、シャンパンを2杯飲んだらすっかり酔っ払ってしまった。近くブログに書くが、実にいいパーティだった。
サンプロ特集では、銃犯罪が市民を巻き込んでいるが、その背景には警察の拳銃摘発能力の減退があるのではないかという問題提起をした。この特集は、警察の体質を異例に厳しく批判したものである。普通、マスコミは警察批判をあまりやらない。記者クラブで情報を教えないなどのいじわるをされたり、その新聞社やテレビ局の「傷」を捜査されるなどの仕返しがありうるからだ。
警察を対象に取材するのはたしかに怖い。北海道新聞(道新)が警察の「裏金」問題を執拗に続けたら、警察から牙をむかれて、道新が謝罪させられ、「裏金」取材が幕引きされている。これは言論弾圧と言ってもよいのだが、道新が事実を伏せるため、表に出ないままとなる。重大な問題である。これについては、北海道警の元最高幹部だった原田宏二さんの「北海道新聞が警察に屈した日」を読んでほしい。http://www.ombudsman.jp/policedata/doushin.pdf
さて、去年の銃犯罪で記憶に残る事件を挙げると、長崎市長殺害、町田アパート立てこもり、愛知・長久手立てこもり、佐賀の入院患者人違い射殺など陰惨な事件が多い。これは銃の蔓延が背景にある。供給元のフィリピンとロシアを取材すると、今も変わらず密輸ルートが健在だと確認できた。問題は銃の摘発ができないでいる日本の警察にある。密輸ルートは健在なのに、取締りが進まないから、総量はどんどん増えてしまう。
実際、拳銃押収数は95年がピークで1880丁。それがどんどん減って、05年、06年は400丁台になった。原田宏二さんが「平成の刀狩り」と呼ぶ、拳銃摘発の大号令のもと、90年代のものすごいノルマ主義の締め付けで、とんでもない異常事態が警察内部で起きていた。
(続く)