土曜日、特定失踪者問題調査会のメルマガに、荒木和博さんが、安明進さんの弁護士と嘆願書を出す経緯について書いていた。第一審で実刑判決が出たあと、安明進さんの弁護士が交代し、控訴審を担当した二人目の弁護士が以下に出てくる金尚哲という人だ。
《金尚哲先生は韓国の弁護士で、金泳三政権のとき1週間だけソウル市長を勤められた人です。保守系オピニオン新聞である「未来韓国新聞」の社主であり、保守系の重鎮です。
安明進氏の第一審判決の後、金先生が弁護人になったと聞いてともかく安心しました。守る会の三浦小太郎さんは「金尚哲さんが弁護をするなら、どういう判決になっても満足できるのではないか」と言っていましたが、私も全く同感でした。
(略)金先生は盧武鉉政権、金正日体制との戦いを続けており、韓国の中でも信望を集めている人です。
今月19日に安明進氏の高裁判決が出ると聞いたのは10日ほど前のこと。嘆願書については前から考えていたのですが、判決がそれほど早いとは思いませんでした。あわてて金先生に電話し、「これからご家族の嘆願書をもらって判事に送っても間に合うでしょうか」とお聞きしたところ、「それは効果があると思いますよ」とのご返事でした。
ただし、2、3日のうちに届かないと間に合わないとのことで、直ぐに横田さんご夫妻と古川了子さんのお姉さんである竹下珠路さんにお願いし、書いていただいた直筆のソウル高裁宛の手紙と私の下手な訳文を付けて送りました。ちょうどジャーナリストの金基柱さんも安さんの日本での活動に関する資料をまとめて送るところだったので、一緒にして金先生に送ってもらいました。(略)
横田さんと竹下さんの嘆願書について言えば、これをお願いし、金先生に託したのは私ですから、もし彼が再犯など期待を裏切ることをしたなら、当然その責任は私が負うべきことです。逆に言えば、支援してくれた人たちの気持ちを裏切らないように、彼には一層努力してもらいたいと思います。》
弁護士によっては、横田さんたちからの嘆願書などは、むしろ裁判に不利になるとして反対したかもしれない。結果論ではあるが、太陽政策に反対で、安明進さんの立場を理解する弁護士がついたからこそ、日本の支援者たちとも連携でき、効果的に闘うことができたというわけだ。
そのメルマガを読んだ直後のゆうべ9時過ぎ、安明進さんから私の携帯に電話があった。
「恥ずかしいことをしてしまって、ご迷惑をかけました。ほんとにすみません。これからはもう絶対にあんなことはしません」。
これから仕事さがしをするという。声は元気そうだった。幸運を祈る。