横田さん宅に中傷ファックス

安明進さんのために横田夫妻が嘆願書を書いてくださったことについては前に書いた。(10月19日、29日)
これに難癖をつける人がいる。以下は、「万景峰号の入港を阻止する会」掲示板への投稿である。そもそも事実関係に誤りがあるのだが、それはさておき、横田さんたちを非難している一部を抜粋する。
《現段階では、安氏の減刑は喜ばしいことだ。
だがしかし、果たしてこれが「横田ご夫妻の嘆願書のおかげ」であったならば、横田ご夫妻は過ちを犯したことにならないのか?
再犯の可能性がゼロだと言い切れるのか?保障できるのか?
再犯を犯した場合、横田ご夫妻はまた嘆願書を書くのか?
「罪は罪」ではないのか?
横田ご夫妻の嘆願書は、「家族会代表・横田滋、早紀江」ではなく「拉致被害者横田めぐみの両親」として出された「個人的」なものだそうだ。(略)
横田ご夫妻は、常に冷静沈着で軽率な言動をされることは無いのだが、今回ばかりは首を傾げずにはいられない。
(略)覚せい剤使用・密売の犯罪者に、「安明進だから」と嘆願書を出す横田ご夫妻の軽率な行為は、一般常識人には理解されない。
(略)主権侵害を受けている被害者家族が、韓国への内政干渉を犯し犯罪者を庇うとは、もはや横田ご夫妻までもが正誤の判断さえつかなくなっておられるのだろうか。》

私は、この投稿を知っていたが、横田さんたちには知らせたくなかったし、インターネットを利用しない二人はきっと知らないだろうと思っていた。ところが、きょう横田さん夫妻と話をしていたら、驚いたことに、二人はこの文章を読んだという。
なんと、こうした文章が、わざわざファックスで横田家に送りつけられているのだという。早紀江さんは「世の中にはいろんな人がいるんですねえ」と鷹揚な口ぶりだったが、こんな文章がファックスで入ったら誰でも憂鬱になるに決まっている。私は恥ずかしく、また情けない気持ちになった。
横田さんたちは、30年も地獄のような苦しみを味わってきて、今も政治の狭間でもみくちゃになり、疲労の極にある。非難文を送りつけることは、さらなる心労を与えることになるのが分からないのだろうか。
論の正否ではない。人の情けの問題である。