「ビルマ軍政と日本」集会その1

takase222007-10-28

きのう午後からサンプロ特集打ち合わせ。最後のプレビューをし検討会を経て、テロップなどを修正し、夜、音楽・効果音・ナレーションを入れる作業(これをまとめてMA=マルチ・オーディオという)に立ち会う。朝方3時間ほど寝てテレ朝へ。今朝は台風一過でからりと晴れた。
特集「韓国大統領選挙への道」はきょうでもうパート4。これだけ続けられる一つの理由は、韓国政治には、ケレンたっぷりの派手な動きが次々に起きるからだ。
この間の大きなイベントは、何と言っても今月2−4日の南北首脳会談だ。大統領選挙へのパラム(風)を吹かせる目的だったが、大統領の支持率向上には役立ったものの、与党候補者の支持率はいっこうに上向かない。すると7日、大統領府は、支持率で独走する野党ハンナラ党李明博(イミョンバク)候補の「大統領府が選挙介入しているのは皆が知っている」という発言をとらえ、名誉毀損で訴えたという挙に出た。ルール違反とも思えるすごいやり方である。
一方、先月、3つに割れていた与党グループが「大統合民主新党」という、いかにも急遽野合しましたという感じの名前の政党に糾合され、今月半ばに予備選で、やっと与党候補が決まった。予備選は、選挙方法に不満な候補が篭城したり、不正選挙で逮捕者が出たりしたうえ、警察が事務所を捜索しようとしたら座り込みで阻止されたりとドタバタ続き。結果、元キャスターでウリ党の議長だった鄭東泳(チョンドンヨン)が与党候補に決まった。だが、この人、大統領選では勝てないとの下馬評だ。
そこで与党側は、李明博のスキャンダル探しに本格的に力を入れ、彼が関与する疑惑のある横領事件の被疑者を、アメリカから呼ぼうとしている。さらには、文国現(ムングクヒョン)という人気実業家が、ダークホースとして登場した。
韓国政治の1ヶ月は日本の1年に当たると聞いたことがあるが、さすがに展開が速くめまぐるしい。12月19日の投票まで目が離せない。

放送が終わったあと、午後2時から、星陵会館で「長井さん射殺から1ヶ月、在日ビルマ人とともに考える―ビルマ軍政と日本―日本外交を動かそう!」という集会に参加した。(主催者たちは、「ミャンマー」は正統性のない軍政がつけたとして、以前の呼び名の「ビルマ」を使用するので、きょうはそれに従う。)
ビルマ僧による、長井さんを含む犠牲者のための読経からはじまり、ビルマ人活動家の弾圧体験、ジャーナリスト山本宗輔さん、上智大教授の根本敬さんの話、現地からのビデオメッセージなど、5時半まで、盛りだくさんの充実したプログラムが続いた。司会はジャーナリストの田辺寿夫さんで、流暢なビルマ語を駆使して、在日ビルマ人にも説明しながら集会を進めていた。
【写真は読経するビルマ僧】
きょうの集会は、日本外交がテーマで、耳の痛い話ばかりだった。日本はOECD加盟国のなかで、ミャンマー軍政を最も早く承認し、最も多額の援助を与え続けてきた国なのだから。
ビルマ軍政は昨日や今日急に残酷になったのではない。19年間、軍人たちのメンタリティは変わっていない。日本はずっと民主化の足を引っ張ることばかりやってきた」(山本宗輔さん)
そして軍政の弾圧から逃れてきたビルマ人は難民認定されることなく、品川に50人、牛久に30人もが収容されているという。「彼らをビルマに送還しないでください」とアラカン族(少数民族)の男性が訴えたが、これを聞いて何とも恥ずかしかった。(続く)