熱い韓国と冷えた日本

takase222012-12-20

韓国大統領選挙は大接戦の末、朴槿恵氏が勝った。
私は彼女に単独インタビューした縁もあって、ちょっと親しみを感じる。その時の印象も悪くなかった。
たしか2007年で、ハンナラ党の大統領候補の席をめぐって李明博氏と争っていた。イメージとしては【朴=清廉な保守本流】VS【李=経営感覚のある実務派】という図式だった。微妙な時期で、彼女は取材を避けていたが、来日したさいに彼女にコネのある人の紹介でなんとか会えたのだった。何をしゃべったか忘れたが、握手した手が柔らかかったのを憶えている。
控えめながら芯の強そうな印象だった。当時は、同じハンナラ党のなかでここまで罵りあうのかと驚くほど激しい非難の応酬で、一見丁寧で礼儀正しい彼女が、李明博氏とそのとりまきの汚職体質をかなりきつい表現で攻撃していた。そんなときはキッとしたこわい目になる。彼女は日本との人脈はあるので、対北朝鮮での連携などの話し合いもできるはずだ。
彼女の名前の発音表記は、メディアにより「パク・クンヘ」「パク・クネ」と割れている。n音とhe音がリエゾンするためで、さらにパクのk音とクネのk音が重なって、実際には「パックネ」と発音されている。名前の「槿」は韓国の国花の「ムクゲ」である。ムクゲは花の咲く期間が実に長い花だが、さて朴槿恵氏はどうだろうか。
(まるで新聞のコラムのような文章になってしまった)
今回の大統領選挙の投票率は、前回を10%以上回って、75.8%だったという。日本の総選挙の投票率が、前回から10ポイントも下って、59.32%という戦後最低を記録したのと対照的だ。
きのう、テレビのニュース番組を制作している人といっぱい飲んで話していた。
「選挙の前後は視聴率がいいだろうね」と尋ねたら、今回は異例で、政治ネタをやると視聴率がダメなのだという。プロデューサーはもう扱いたくないと言っているとのこと。どうやら、結果が出た後も関心をもたれないとても冷めた選挙だったようだ。
しかし、いつも問題は具体的に出てくる。きょう原子力規制委員会の評価会議で、青森県東通(ひがしどおり)原発敷地内にも活断層がある可能性が高いと結論づけられたが、東北電力は違うと言っている。冷めてばかりいられない現実がある。