人権のドンキホーテ

takase222007-10-06

ミャンマ軍政に抗議する署名はきょう中に1500名に達するもようですが、さらに勢いをつけるために、ご協力をお願いします。ブログにアクセスしてネットで署名できます。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927
きのう紹介した、アメリカABCのスチュアート記者が射殺されるニュース映像が、すぐに削除されて、きょうはもう見られなくなってしまった。YouTubeの反応はすばやい。だれか映像をコピーしておいた方がいたら、私に分けてもらえませんか。
明日のサンプロ特集「南北首脳会談」の準備で、今夜もまた徹夜になりそうだ。
新聞を読んでいたら、ある小さな記事に目がとまった。
「ドイツ人医師がプレスセンターに乱入 ソウル
 脱北者の支援活動をしているドイツ人医師ノルベルト・フォラツェン氏が2日、ソウル市内のホテルに設けられている南北首脳会談プレスセンターに入り込み、『北朝鮮に人権はない。子どもたちが飢え死んでいる。人権侵害の実態を知って欲しい』と叫んだ。
 会場では、数百人の記者が作業していた。フォラツェン氏の周りに数十人のカメラマンや記者が殺到。同氏は警備員数人に力ずくで押さえつけられ、ホテル外に運び出された。プレスセンターは、韓国政府が発行したIDカードがなければ入場できないが、警備のすきをかいくぐったらしい」(朝日新聞10月3日)
久々にフォラツェン氏の名前を見てなつかしかった。そして「よくやった!」と心のなかでエールを送った。彼は1999年夏から1年半、北朝鮮で医療ボランティアとして献身的に働いたが、本当の問題は体制自体にあることに目覚め、人権活動家としてソウルで活動している。(写真は草思社より)
彼は2005年3月にライス国務長官が韓国を訪問したとき、ソウルで開いた記者会見にも乱入していた。以下CNNより;
「警備員は、共産主義北朝鮮を解放するため介入せよと、大声で叫んだ一人の男を床に組み伏せた。
『ライスさん、北朝鮮の人民は死にかけていて、あなた方の助けを求めているのです』と叫んだのは、ドイツ人医師で元援助ボランティアのノルベルト・フォラツェンだ。彼は『北朝鮮に自由を!50年は長すぎる』と書いたポスターを掲げたが、大使館職員が二つに破いた。
ライスが会見を始めようとした時には、警備員はフォラツェンを床に組み伏せて、口を覆って声が出せないようにした。彼は、ライスが着く前に記者席のほうに進んで来たのだが、大使館の広報担当官が彼に気づき、排除するよう命じたのだった。
会見でライスは、真の民主主義とは『自分が言いたいことを言い、自分が望むように宗教を信じ子どもを教育する』可能性だと語った」。
私はフォラツェン氏に一度だけ会ったことがあるが、「ナチズムを生んだ国の人間として北朝鮮の人権のために活動するのは私の義務だと思っています。将来、子どもたちから、『あのときお父さんは何もしなかったの』と言われないようにしたいのです」と語っていた。真面目すぎるほど真面目な人である。
歴史は、フォラツェン氏の行為を称えるだろうと私は思う。
「平和」という言葉は、今の日本ではオールマイティである。しかし、「人権なき平和」は真の平和にはなりえない。とりあえず戦争が起きなければそれでよい、では問題の解決にはならない。それが歴史の教訓である。
北朝鮮の現体制を温存する形での「平和」を推進する人々は、後世、あの体制下で苦しんでいる人民や拉致被害者に、どう申し開きするのであろうか。