横田めぐみさんの「歯」をめぐる怪奇④

 行賞はさぞやと二党ほくそ笑み (三重県 山本武夫) 4日の朝日川柳より。

 自民党の全く無内容な法案に公明、維新が賛成するにあたって、さも重大な修正が加えられるかのような猿芝居をやっている。うらで二党にどんな見返りが約束されるのか。

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 日本が先進国から脱落し、沈み込んでいるのをビッグマックの価格で示されると実感がわく

NHKクロ現より

 2004年の価格(左)で16位だった日本は、今年45位に。すぐ上と下のお隣さんはルーマニアベトナムという新鮮な顔ぶれ。ここまで落ちたか。

 一日の賃金で58.5個買えたビッグマックの数が今はわずか37.4個だって!?。先進国で唯一実質賃金が落ち込んでいる結果は、こうしてみると衝撃的だ。止まらない円安をふくめ、失敗が明らかになったアベノミクスを本気で総括して出直さないと・・。ほんとは国会で「政治と金」なんかをグダグダやってるヒマないんだけどな。企業献金の全面禁止」でさっさと先に進もうよ。

 そんなときに出てきた自動車メーカーの「認証不正」事件

 自動車などの量産に必要な認証「型式指定」をめぐって、トヨタ自動車マツダヤマハ発動機、ホンダ、スズキの5社の計38車種に不正行為が見つかった経済同友会の新浪代表幹事は、「日本経済に大きな影響はない」などとノーテンキなことを言ってるが、近年、この手の不正が相次いでいて、メイドインジャパンの信頼が足元から崩れている。

 日本は家電、半導体、液晶、有機ELとどんどん負け続け、「売るものがない」ので恒常的な貿易赤字になっている。最後の牙城は自動車産業なのだが、EV化の出遅れで将来が暗い。そこに持ってきてこの不祥事だ。もちろん業界、企業に責任があるのだが、政府の産業政策もまた問われなければならない。そして実はこれ、「政治と金」の問題にも直結している。

謝罪する豊田章男トヨタ会長(NHKニュース)

 トヨタ自動車自民党への献金は、個別企業としては断トツのトップ。2013年から22年で6億1520万円になる。同時期トヨタは、ウハウハのもうけを出しているが、それに貢献したのが総額8700億円の研究開発減税。つまりトヨタは、自民党献金した金額の1400倍のキックバックを受けたことになる。企業献金は企業にとっても打ち出の小槌なのだ。

 政権とのもたれ合いで甘い汁をすする産業界のなかから、画期的なイノベーションが生まれるわけはないだろう。この点からも企業献金は全面禁止するしかない。
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前回からのつづき―

 「全拉致被害者の即時一括帰国」路線の裏で田中実さんと金田龍光さんが「見捨てられ」ている問題。政府、「救う会」、「家族会」への忖度もあるのか、マスコミは沈黙を続けてきたが、ようやくこの問題を取り上げはじめた。

 5月30日の『朝日新聞』社会・総合面に北朝鮮拉致『2人生存』闇の中/再調査を約束 ストックホルム合意10年」の見出しの記事が載った。

朝日新聞5月30日朝刊

 リードは―

 北朝鮮による拉致問題で、「北朝鮮から伝えられた日本人の生存情報に対応しなかった」として日本政府の責任を問う声が関係者の一部から公然と上がり始めている。北朝鮮が再調査を約束した「ストックホルム合意」から29日で10年。一向に進まない状況への焦りもにじむ。

 記事は、「国民大集会」で特定失踪者問題調査会」の竹下珠路事務局長が、田中さんと金田さんの2人が日本から「見捨てられた」と発言したことから書き起こしている。以下、引用。

 《言及したのは、神戸市出身の田中実さん(失踪当時28)と、知人の金田龍光さん(同26)。2人は1970年代に北朝鮮に渡ったとされ、消息を絶った。日本政府は2005年、田中さんを拉致被害者に認定。金田さんについては調査団体「特定失踪者問題調査会」が、拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」としている。

 北朝鮮は02年、拉致問題を認めて被害者5人の帰国が実現した一方、他の被害者については「死亡した」などと説明。日本は納得せず、その後の交渉の結果、14年5月のストックホルム合意に至った。残留日本人や日本人配偶者など全ての日本人に関する「包括的かつ全面的」な調査を北朝鮮が約束したものだった。

 しかし、日朝間の交渉はもの後10年間、停滞したままだ。それが近年になって、実は田中さんや金田さんの生存情報が伝えられていた、との証言が出てきた。

 北朝鮮は14~15年ごろ、2人が北朝鮮で妻子と暮らしていると非公式の場で伝え、報告書を渡そうとした。しかし日本政府は「北朝鮮拉致問題の幕引きを図ろうとしている」と警戒し、受け取りを拒否した―

 このやりとりは伏せられたが、18年に共同通信が報道。14年当時の拉致問題担当相だった古屋圭司氏が21年、外務事務次官だった斎木昭隆氏が22年、朝日新聞に事実関係を認めた。

 この情報が、関係者たちに波紋を広げている。

 竹下さんら特定失踪者家族会は今月20日には林芳正官房長官に面会し、要望書で「長い間事実を秘匿し、政府が拉致認定している被害者の帰還を拒否した政府の責任は重い」と批判。「救える人から救出してください」と求めた。

 拉致問題に取り組む川人博弁護士は「拉致被害者をランク付けすることがあってはならない」と訴える。》

 竹下さんらの要望書には、「被害者の60%が70歳を超えており、さらにその半数は80歳を超えています。認定被害者も未認定の被害者も命の重さに軽重はなく、命の限界を北朝鮮の地で苦しみながら耐えています。命のあるうちに、救える人から救出してください」とある。「全員一括」でなければ対応しないというのではなく、一人でも二人でも、可能な人から助けてほしいというのだ。

www.chosa-kai.jp

 また、川人弁護士拉致被害者の「ランク付け」をするなというのは、北朝鮮が伝えてきたのが国民にあまり知られていない2人だったから見捨てたということであれば許されないという意味だ。かりに、北朝鮮が伝えてきたのが横田めぐみさんの生存情報だったら、日本政府は、「全員一括」でないから、他の被害者の情報がないからとして受け取りを拒否しただろうか。

 記事は「2人の生存情報について、政府は公式に認めていない。国会では『今後の対応に支障を来す恐れがある』として答弁を避け続けている」と締めくくっている。

 実は、2人の情報が北朝鮮から伝えられる契機となったストックホルム合意には、知られざる内幕があった。

(つづく)