タリバンが女性の大学通学も禁止

 きのうの畑は一面、霜柱。

3センチもある霜柱が畑一面に

 玉ねぎの根本にはホトケノザ。冬のなか、生命力を見せつけている。
 寒かったが、秋じゃがを掘り起こしていたら汗だくに。いい運動になった。コロナからほぼ完全に復帰したようだ。

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 アフガニスタンタリバン暫定政権の高等教育省が20日、女性が大学に通うことを停止するとの通知を出した。通知書には、全ての公立・私立の大学や専門学校において、「次の通知があるまで女性への教育は停止される」と記載し、即日の実施を命じている。

22日朝日新聞朝刊

 昨年8月に権力を握り返したタリバンは、日本の中高生にあたる7年生から12年生までの少女の通学を禁止したが、小学校や大学の再開は認めてきた。

NHKニュースより

 この国では小学校でも男女別学であり、女子児童は女性教師にしか教わることができない。また、女性が病気になったり怪我をした場合は女医にのみ診てもらうことができる。だから、女性教師や女医など一定数の女性専門職は社会を回していくためには不可欠である。タリバンは政権内に高等教育省を置き、男女の教室を別にするなどの条件の下で、女子が大学で学ぶことを認めてきた。

去年、今年と10月の大学入学試験は女子も受けることができた(NHK

 しかし、中等教育を禁止しておいて大学はOKというのは、システムとして支離滅裂である。何らかの整合性ある措置が出されなければなかったが、中学高校ばかりか大学も禁止と、きわめて極端な決定になった。

タリバン最高指導者アクンザダ師の決定とされている

 私が先月取材した「地下学校」は、学校に行けなくなった少女たちの受け皿だった。100名を超す生徒たちが「修了式」で一堂に会する映像を撮影することができた。

takase.hatenablog.jp

「地下学校」には大きく2つの種類がある。一つは、個人の自宅などでひっそりと少人数を集めて、学校の科目を教えるもので、存在自体が秘密にされている。一方、修了式を取材した「地下学校」は、タリバン政権から「専門学校」の認可を得ている。表向きは女性が編み物や刺しゅう、コーランなどを学ぶ学校ということになっているのだが、それは「隠れ蓑」で、女子が学ぶことを禁止されている英語や数学、物理、歴史など中等教育の教科も教えているのだ。希望者が殺到し、先日三校目の「分校」を開校したと映像を送ってくれた。「学校」は拡大を続け、生徒数は千人を越えた。タリバンの子弟まで通ってきているという。

地下教室の授業風景(独自取材)

 この「地下学校」は、大学進学を目指して勉強に励んでいた生徒が多い。今年10月の大学入試では、この学校から25人の合格者を出したばかりだった。来春からの大学生活を楽しみにしていた少女たちの顔が思い浮かぶ。どんなにか悲しみ、怒っていることだろう

続けて「タリバンの責任を追及するために(アメリカに)何ができるのか検討する」と

つづけて「女性の参加と教育なしに国がどのように発展し課題に対処していくのか、想像するのは難しい」と(NHK

 毎日、カブールと連絡をとっているが、私が取材させてもらった「地下学校」の関係者や女生徒からは「もう、おしまい。夢も希望もなくなった」との悲痛な声を聞く。女子への大学教育の禁止から「地下学校」の弾圧へと進むとの見方も出ている。取材先の彼女らの今後が心配だ。

 また、女子教育をめぐる問題は、国際社会によるタリバン政権を承認するか、逆に制裁を続けるかということに直結する。今回の女子への大学通学の禁止措置でタリバンと国際社会とのせめぎあいが新たな段階に入った。