日本人はなぜ「やさしくない」のか

 きょうは寒かった。

 東京は最高気温が3度までしかあがらず、これは19年ぶりだという。つまり20年に一度の寒い日だったわけだ。

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うちのデッキに積もった雪

 昼前から雪も降った。気温が低いので、びちょびちょにならず、夜まで残っている。明日朝は確実に零下で、地面が氷になりそうだ。自転車はやめておこう。

 コロナのオミクロン株が猛威を振るいそうで、ここ数日の感染者の激増は驚くばかりだ。
 東京都内の6日の感染確認は641人で、1週間前の木曜日の64人のおよそ10倍。年齢層も10歳未満から100歳以上までと広い。1日の感染の確認が600人を超えるのは、去年9月18日以来だという。
 もっとすさまじいのは沖縄で、6日の感染確認は981人で過去最多。
 問題は米軍。成田空港でいくらがんばっても、米軍が、まともな検疫をやらず、クラスターになっている基地から米兵を自由に外出させているのだから、ダダ洩れだ。

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6日朝日新聞朝刊

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6日テレ朝「モーニングショー」

 まずは米兵の検疫を徹底させ、基地の外に出さぬよう要請し、そのうえで、世界一従属的な日米地位協定の改正にすぐに取り掛かるべきだ。

 「共有する民主的な価値観」などという前に、米国にちゃんと主権を尊重させないと。
・・・・・・・

 近年の日本のありさまにはがっかりすることが多い。どうしてこういう国になったのか。これを考えるために、国を構成している我々日本人がどうなっているのかを、国際比較で見てみたい。自分たちが何者かは、外から見ないと分からないからだ。
 
 一つ気になる特徴として、どうも日本人は「やさしくない」ようだ。少なくとも国際比較ではそういう結果が出ている。

 英国の慈善団体Charities Aid Foundationが公表する「世界寄付指数」(World Giving Index)では、過去一カ月に、①見知らぬ人を助けたか、②慈善活動に寄付をしたか、③ボランティア活動をしたかの3項目を144カ国で質問し、その回答をランク付けしている。
 2018年版では、日本は①の人助けが142位、②の寄付が99位、③のボランティアが56位で総合順位は144カ国中128位。先進国といわれる国の中では最下位だ。

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98位以下の順位。日本は総合で128位。caf_wgi2018_report_webnopw_2379a_261018.pdf (cafonline.org)

 『やさしくない国ニッポンの政治経済学』(講談社)の著者、田中世紀氏によると、日本人は他人に冷たい傾向が、他の調査でも見られるという。

 「政府は貧しい人々の面倒を見るべきか?

 これは、世界47ヵ国を対象にアメリカのPew Research Centerが2007年に行った調査の質問の1つだが、この質問に「同意する」つまり面倒を見るべきだと答えた人の割合が、日本は59%で世界最下位だった。ちなみに最も高かったのはスペインで96%、英国は91%、中国は90%、韓国は87%だった。

 4割の日本人は、貧しい人や困っている人を自分で助けないばかりか、公の力で助けることにも同意していないことになる。

 「社会の多くの人は信頼できるか?」

 これは、このブログでもよく取り上げてきた「世界価値観調査(World Values Survey)」が2019年に行った調査にある質問だが、「信頼できる」と答えた人の割合は、オランダでは58.5%、ドイツでは41.6%だったのに対して、日本では33.7%。しかも、「信頼できるか」どうかの対象を「他国の人」に変えると、オランダの15.4%に対して、日本はわずか0.2%しかない。日本人は日本人同士でも信頼していないし、他国の人はほとんど信頼していない、ということになる。

 これをどう解釈すればよいのか。

 その前に、みなさん自身はこれらの質問にどう答えますか?

(つづく)