きのうに続いて薬用植物園にて。花の咲いている植物をいくつか。
そろそろ、何か収入を得る「なりわい」を探そうと、明日から地方に「出張」することにした。切符を買いに駅に行くと、新幹線はお盆なのにガラガラだ。
その帰り、駅前で「9条の会」を見かけた。団塊の世代かそれ以上のお歳の人たち数人が、猛暑のなか、宣伝・署名活動をやっていた。
私は「9条」堅持派ではないのだが、今の政権での改憲は反対なので、ごくろうさまの気持ちも込めて署名した。
すると「9条の会は毎月9日に駅前に立ってるんですが、きょうは長崎の日にあたって、ダブルでこっちもお願いできますか」とのことで、核兵器廃絶のアピールにも署名することに。
ちょうどいい機会だと、沖縄の基地負担を本土で引き受けようという運動をどう思いますかと話しかけた。
活動歴の長そうな70代の女性だったが、驚いた様子で「えっ、誰がそんなことを言っているんですか?」という。こんな主張を聞くのははじめてらしい。
「若い人たちが沖縄のことを知って、啓蒙活動をしているんですよ」と私。
その女性は「ダメダメ、沖縄の米軍基地をこっちにもってくるなんてダメです」。
これが平均的な「9条」派の人の反応だろうと予想していた通りだった。
私「いま、国民のほとんどは日米安保を容認してますね。だったら、基地負担を沖縄だけに押し付けず、全国民で公平にという考え方はありえませんか」。
女性「そんなことやったら、喜ぶのは米軍じゃないですか」。
私「いや、まず、沖縄の人が喜ぶでしょう」。
という具合に、立ち話で議論したのだが、「基地引き受け」論は新鮮だったようで、はじめの反射的な拒否から、後半は真剣に聞いてくれた。
最後に、「お仲間ともぜひ議論してみてください」と言って別れたが、このテーマは、沖縄問題を自分事として考えるので、深まった議論ができると感じた。
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6日の松井一実広島市長の「平和宣言」はコロナ禍を冒頭にもってきた。
《今、私たちは、新型コロナウイルスという人類に対する新たな脅威に立ち向かい、もがいていますが、この脅威は、悲惨な過去の経験を反面教師にすることで乗り越えられるのではないでしょうか。
およそ100年前に流行したスペイン風邪は、第1次世界大戦中で敵対する国家間での「連帯」がかなわなかったため、数千万人の犠牲者を出し、世界中を恐怖に陥れました。その後、国家主義の台頭もあって、第2次世界大戦へと突入し、原爆投下へとつながりました。
こうした過去の苦い経験を決して繰り返してはなりません。そのために、私たち市民社会は、自国第一主義によることなく、「連帯」して脅威に立ち向かわなければなりません。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/47372
時宜にかなった、適切な指摘だと思う。
1918~20年に世界中で大流行し、5億人が感染、少なくとも4000万人の死者を出したとされるスペイン風邪は、最初の感染地、アメリカ中西部の米軍基地から世界に広がった。しかし第一次大戦の最中だったので、戦争当事国は感染を公表せず、中立国のスペインの名がつけられたという経緯をたどる。国際協力が全くないまま感染が野放しにされ、甚大な被害をもたらしたのである。
おまけに、戦後処理の協議中に、アメリカ大統領ウィルソンがスペイン風邪でダウンしたことがドイツへの報復的な賠償を課す結果となり、これがのちにドイツの社会混乱とナチスの台頭、第二次世界大戦へとつながっていく。
そして核戦争の危機はこれまでで最も大きくなっているといわれる。
中距離核戦力(INF)全廃条約が去年失効し、長射程兵器の新START(新戦略兵器削減条約)は来年2月の期限を前に延長があやぶまれて、核軍縮の枠組みは崩壊寸前。もし核戦争が起きるとすれば、それは極東が発火点になる可能性大だ。
宣言は《人類の脅威に対しては、悲惨な過去を繰り返さないように「連帯」して立ち向かうべき》であるとし、
《日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し「連帯」するよう訴えていただきたい》と述べる。
安倍首相はいつも「橋渡し役」をアピールするが・・
原稿をただ読むだけの「橋渡し」 (滋賀県 寺下吉則)
何時何処(いつどこ)で何をしたやら橋渡し (東京都 鈴木了一)
(8日朝日川柳)
行動で示してほしい。