日干ししているのはクコの葉。
先々週、自転車で多摩川の近くに行って一人で弁当を食べていたら、大量の葉っぱを干している70歳代半ばのおやじさんがいた。何だろうと話しかけたら、河川敷でクコの葉を摘んでクコ茶にするのだという。
故郷が山形だと言うと、うちのかみさんもそうだという話になり、別れ際、持っていきなとクコの葉とやはり近くで摘んだクレソンをいただいたという次第。
クコ茶など飲んだことがないのだが、どんな味なのか、楽しみだ。
こんなこともヒマだからできるのだなあ。
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トランプ大統領は14日、WHO(世界保健機関)への資金拠出をストップすると言明した。
「WHOは中国寄りで新型コロナウイルスの対策を誤った。基本的義務を果たすことに失敗した。責任を問われなければならない。資金の拠出を止める」
「WHOが早い時点で中国の感染状況の実態を把握し、不透明さを指摘していれば、感染拡大を抑え込めた。死者を少なくすることができた。今後、アメリカ政府としてWHOの対応を検証する」と。
検証は60~90日かけて実施され、この間、WHOへの拠出は全てストップされるというが、全予算の16%を資金援助するアメリカの拠出停止措置は、WHOの活動に大きな影響がでる。
WHOに対するこの措置は、自らの判断ミスでコロナ禍を拡大した責任を転嫁するために敵を作る、いつもの幼稚なトランプ政治だが、未曽有の世界危機でのこの決定は、アメリカのリーダーシップに致命的な打撃をもう一つ加えたと思う。
いまのWHOとくにテドロス事務局長が政治的に中国寄りであることは大方の見方だ。
中国の圧力で、台湾はWHOから、オブザーバー参加も含め、完全に締め出されている。他の国際機関では、例えば台湾はIOCには加盟していないが、チャイニーズタイペイという屈辱的な国号の下でとはいえオリンピック競技には参加できる。
こちらは保健問題である。台湾のように優秀な厚生行政能力をもち、国際貢献の強い意志のある国(地域)をWHOは排除すべきでない。
今回のウイルス危機でも、台湾は早くも12月末に、武漢でSARSではない非定型肺炎が7例出て隔離治療されているとの重要情報をWHOに送ったが無視され、WHOは1月5日に今回のウイルスに関する最初の情報として「中国では人から人への重大な感染は報告されていない」と発信、その後も中国への配慮をにじませ、緊急事態の宣言を見送ってきた。
とはいえ、今は人の命と健康にかかわる緊急時だ。WHOへの資金ストップは、トランプの度重なる愚行ですでに国際的な信用を大きく失ってきたアメリカの指導力にさらに決定的なダメージとなる。
中国はここぞとばかりに24日、WHOに32億円の寄付を表明。いまさかんに繰り広げられているマスク外交と相まって、中国こそが世界のリーダーだという効果的なアピールを行っている。中国を有利にするばかりだ。
私はアメリカの外交にはいろいろ問題があるけれど、残念ながら国連に国際秩序のコントロールを期待できない現状では、アメリカの指導力はまだ必要だと考えていた。パレスチナ問題でのクリントン、北朝鮮問題でのブッシュ、核軍縮でのオバマ・・結果的に成功してはいないが、一つの流れを作る指導力を発揮して、それを他の国々も認めていた。消去法でいくと、アメリカにリーダーシップをとらせるしかない。
だから、アメリカがオウンゴールのような形でどんどん沈没していく、そのことに危機感を覚える。
アメリカを全くあてにしないでこれから新たに国際秩序を作っていけるのか、これはたぶんここ100年くらいで初めて世界に突き付けられている大問題だと思う。
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一方、トランプのWHOへの資金拠出中止発表の翌々日の4月16日、イスラエルの歴史学者で『ホモサピエンス全史』著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、WHOに100万ドル(約1億円)を寄付すると発表した。
寄付した理由を彼はこう語る。
「私たちは大富豪ではありません。しかし、何億もの人々が職を失っている時、暮らしに困らない者は、物惜しみすべきではないのです。」
そして、なぜ母国イスラエルにではなくWHOに寄付するのかと問われて―
「私の地元テルアビブの病院は、コロナウイルスの遺伝情報を中国とドイツから受け取った。
最良の治療法は、イタリアやアメリカから教えてもらった。
もし、世界から正しい情報を受け取ることができなければ、テルアビブの病院は無力化する。
自力でワクチンを開発することも不可能だ。
パンデミックの中で同胞を救おうとしたら、国際的な協力を選ぶほか道はない。」と答えている。https://www.facebook.com/watch/?v=544480919404480
人間、言行一致が大事だな。
これに刺激されたので、私もほんの少しだが、応援している「国境なき医師団」に寄付しようと思う。