きょうは国立駅前に散歩に出かけた。
駅南口から真っすぐに延びる大学通り(一ツ橋大学があることから名付けられた)は桜の名所で、例年多くの花見客でにぎわう。
ここの桜並木は、今上天皇の生誕記念で、1934-35年に植えられた。
病気で枯れそうな老木も多く、桜を守ろうと、子どもたちも参加する「桜守」活動がさかんだ。
私も少しだけ桜守活動に参加しているので、この並木通りには愛着がある。
https://takase.hatenablog.jp/entry/20191027
20℃まで気温が上がって暖かく、気持ちよく歩いてきた。
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朝日川柳より
しゃあしゃあと胸が痛むと鉄面皮 (福岡県 伊佐孝夫)
ぬけぬけと改竄あってはならぬだと (埼玉県 鈴木雄二)
始まるぞ手記の改竄 解釈で (大阪府 浜田竜哉)
原告の後ろに草の根ついている (愛媛県 宇和上正)
自死した近財職員、赤木俊夫さんの手記の公開に心から憤り、国と佐川元理財局長を相手取った遺族の提訴を応援する市民が数多くいる。
《麻生財務相はきのうの記者会見で、18年に財務省が公表した調査報告書と手記の内容に「大きな乖離(かいり)」はないとして、再調査を行う考えはないと述べた。報告書では、佐川氏が改ざんの「方向性を決定づけた」と認定しているが、具体的な指示があったのか、佐川氏の一存だったのかなど、肝心な点ははっきりしていない。
そもそも、第三者が入らぬ財務省の内部調査である。首相官邸や森友学園の名誉校長だった安倍首相の妻の昭恵氏らからは話も聞いていない。そして、この問題の核心である国有地の大幅値引きについては端(はな)から何も調べていない。全容解明に程遠い報告書を盾に、再調査を拒むのは不誠実極まりない。》(朝日新聞社説20日)
再調査は国民の声である。
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19日、アメリカは、全ての渡航の中止と海外に滞在している国民に対し、速やかに帰国するよう促した。
新型コロナウイルスの感染拡大で、すでにEU諸国は、EUへの第三国からの渡航を30日間禁止。ロシアは4月30日まで入国禁止。カナダやドイツは国境閉鎖。
日本は危険国とされ、ほとんどの主要国がきびしい出入国制限をもうけ、入国できても2週間の「隔離」という措置が待っている。
いやはや驚いた。この事態は予想していなかった。
グローバル化が国境をなくしていくなどと言われ、若い女性たちが週末に香港に買いものに行ったりするこのご時世に、こんなに簡単に「鎖国」ができるのか!
経済活動が過去例をみないほどのダメージを受けるのを承知の上で、各国がためらいなく国境を閉じたのである。
「国家」というくくりの重要性を再認識させられた。
同時に、各国政府の意向でこんなに簡単に「鎖国」されるとなれば、国家安全保障をあらためて見直す必要があるだろう。
例えば、マスクの原料のほとんどを中国に頼っていていいのか。
なにより、食糧が入って来なくなる可能性を見越して、自給率をどうするのか。
いざとなれば他国に依存しなくてもやっていける国にしなければ。
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イタリアのコロナ禍がすさまじい。
死者が中国のそれを上回って、さらに増え続けている。
《【3月21日 AFP】イタリアは20日、新型コロナウイルスによる1日の死者が過去最多の627人となり、合計死者数が4000人を突破したと明らかにした。感染拡大の阻止に向けた政府の努力にもかかわらず、流行の勢いは加速している。
イタリアの死者数は4032人、感染者数は4万7021人に上っている。同国の1日当たりの死者数はこれまで、475人が最多記録だった。》https://www.afpbb.com/articles/-/3274481
死亡率8%と突出して高いのはなぜか。
高齢化率の高さはEUで最高、日本に迫るほどだという。
これとならんで原因に挙げられるのが医療体制の崩壊だ。患者が多すぎて医療の手が届かないというのだ。
問題はさらにその先だ。
《イタリアでは近年、医療費削減を進めてきた。病院の統廃合が進み、多くの医師がイタリアを離れた。医療体制の弱体化が、今回のウイルス封じ込め「失敗」で露呈した形だ。》(朝日新聞21日)
これは他人事ではない。
日本でも医療費削減で医療・保健体制はすでにお寒い状況になっている。
厚労省の職員の半数以上が「非正規」になっているほか、保健所の数も減らされてきているという。
《新型コロナ対応 厚労省の53%が「非正規公務員」の現実》(POSSE代表の今野晴貴さんの論考)https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200227-00164904/
(国交労連の井上伸氏のツイッターより)
医療もまた、国家安全保障の中核である。
今回の新型コロナウイルスをめぐる事態は、今後の日本の国づくりのあり方を考えさせてくれる。