ジン・ネット廃業へのメッセージ

 ジン・ネット廃業にさいして、きのうに引き続いて、きょうもたくさんのメッセージをいただいた。
 廃業を惜しむ声、温かい激励もあった。それらを読みながら、ジン・ネットをここまで続けてきてよかったとしみじみ思った。ありがとうございます。

 自慢話のようで、読者には鼻白むだろうが、まあ、人生に一度のみなさんからのはなむけとしてお許しいただいて、いくつか紹介したい。
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 「ジンネットを閉じるとのこと、驚きました。真面目に調査報道をしてきた数少ない優良な制作会社だっただけに残念でなりません。」(民放テレビ局ニュース番組プロデューサー )

 「突然の知らせにものすごくショックを受けています。(略)ジンネットが制作する番組は、本当にどれも素晴らしく、日本のメディア界に絶対に必要な存在でした。短い期間でしたが、憧れのジンネットで一緒に働かせて頂いたことは私の誇りです。」(ジン・ネットの元社員ディレクター)

 「驚きと一言では言い表せないような、衝撃というかやるせなさというか様々な感情で今はいっぱいです。(略)私は色々な会社で仕事をしてきましたが、ジンネットでの仕事が一番楽しかったし、一番やりがいのある仕事でした。(略)私にとって、ジンネットで仕事を出来たことは誇りだしジンネットのスタッフと知り合えたことは本当に幸運なことでした。それがなくなってしまうことは心にぽっかり穴が開いたような気分です。」(フリーランス・ディレクター)

 「世の中にとって大事な仕事、報道の良心を最後の最後まで貫かれた、金字塔のような会社だと思っています。色々な制作会社やテレビ局で働きましたが、本当の報道マインド、放送マインドがある組織はほとんどありません。ジンネットがなくなることはすごく淋しいです。」(元ジン・ネット契約スタッフ)

 「ジンネットで渾身の取材映像を訳し、質の高い番組制作の一端を担えたことは、私の映像翻訳人生の誇りです。」(英仏語翻訳者)

 「ジンネット制作番組は、1月のTBS「報道特集」イランもそうですが、常にタイムリーな地域に入ってビビットなリポートだったと思います。いつも刺激を受けておりました。たとえ法人としての会社は閉じても、これまでの実績は誇りに思ってください。」(映像ジャーナリスト)

 「ジンネットさんの業務終了。非常に寂しいお知らせです。高世さん始め、ジンネットは、ジンネットにしかできない取材、映像の制作を手がける唯一無二の存在だったと思っています。」(民放テレビ局プロデューサー )

 「高世さんの会社のように国内外の普通に暮らす人々の問題や喜怒哀楽を草の根目線で表現し、そしてきちんと伝えてくれるドキュメント作品を自分自身の貴重な糧として視聴したり拝読したりしていました。
 昨今の日本は自分の国の政治に立ち向かう脱力感が蔓延し、その無気力や無力感が世界情勢への参画意識や、興味さえかき消してしまっている感じがします。自分さえよければ、が渦巻いている世の中。良心の灯火が少しずつ消えてしまう危機感を強く感じます。」(民放テレビ局社員)

 「無念です。志があるプロダクションが食っていけない…この国の民度のあらわれでしょうか。(略)ジンネットの皆さんとの出会いは私の貴重な財産です。今後もぜひご一緒させてください。」(テレビ番組プロデューサー)

 「お疲れさまでした。大事な、クオリティの高い仕事をするところほど、経営的に不遇な現状、返す返す残念です。」(フリーランス・ジャーナリスト)

 「私の(地方局からの)退職が決まった時に報道制作局長に言われたのが『東京に出るならジンネットのような取材と、番組作らなきゃダメだ』と言う言葉です。以来、ジンネットと高世さんは僕の中でのベンチマークというか、目指すべき線でした。
 最後までお仕事をご一緒させていただいたことに感謝しています。」(フリーランス・ディレクター)

 「事業終了とのこと、大変残念です。時代が変わったといえばそれまでのことかもしれませんが、今までのジン・ネットのドキュメンタリー作品がどれだけ人々に勇気と希望を与えてきたことか。」(フリーのアートプランナー)

 以上はいただいたメッセージの一部だが、こんなに期待され、喜ばれていたのか、と感動した。
 これまでに仕事でかかわったすべての人、応援してくれた人に感謝の念がわいてくる。
 ありがとうございました!