安田純平さんと3年半ぶりに再会

 いつの間にか、もう立冬か。寒露(10月8日〜18日)を過ぎ、霜降(そうこう)が明日で終り。鍋が欲しくなるわけだ。
 きょう7日から初候「山茶始開」(つばき、はじめてひらく)。つばきと読むが実際は山茶花(さざんか)。次候「地始凍」(ち、はじめてこおる)が12日から。17日からは末候「金盞香」(きんせんか、さく)。金盞とは金の杯で、黄色い冠をつけた水仙の花のことだという。暦の上ではもう冬。秋深し、紅葉狩りに行きたい。
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 きのう安田純平さんに会った。3年半ぶり。たしかに以前より痩せたが、元気そうで何より。40カ月におよぶ異常な時間を過ごしたとは思えないほどの精力を感じた。
 拘束中は、どうしてこんなことになったのかと反省の念がわいてきたという。そして、どんどん小学校時代の過ごし方にまでさかのぼって自分の至らなさの根源を探していったそうだ。なぜ、こうしなかったのか、あんなことをやっていればよかった、と。
 拘束場所を転々とさせられたが、縦2m、横1mの窓のない上下左右が壁の独房もあり、そこに誰とも口をきかず24時間閉じ込められ時期もあったという。想像しただけでこっちが苦しくなる。20日間の絶食をはじめとする苛烈なストレスはからだを蝕んだ。腰を痛めてヘルニアになった。つい先日は奥歯を抜いたと言う。歯医者に、歯ぎしりで歯根までやられていると言われたそうだ。心が折れなかったから耐えられたのだろう。
 会見では今後の身の振り方については「白紙」だと言った安田さんだが、そのうちまた取材活動を再開するような気がする。