はじめて食べたエゾジカの肉

 もうとっくに寒の入りをすぎ、小寒から大寒にかわるころ。旧暦ではまだ年末。
 小寒は1月5日からで、初候「芹乃栄」(せり、すなわちさかう)、次候「水泉動」(しみず、あたたかをふくむ)、末候「雉始雊」(きじ、はじめてなく)。
 大寒は今年は20日から、初候は「款冬華」(ふきのはな、さく)。フキノトウが顔を出し始めるという意味だ。寒さの底で、春への準備が進んでいく。次候は25日からで「水沢腹堅」(さわみず、こおりつめる)、末候は30日から、「鶏始乳」(にわとり、はじめてとやにつく)。とにかく一年で最も寒い時期。みなさま、風邪などひかぬように。
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 戦場ジャーナリストの横田徹さんは、狩猟歴10年。休暇には北海道に狩猟に行くという。きのうは、横田さんが狩猟仲間にもらったというエゾジカの肉をごちそうになった。
 彼のいきつけのワインバーで焼いてもらう。エゾジカを食べるのは初めてだが、ロースももも肉も極上の味。お店のワインがまたすばらしく、晩餐を堪能した。
 横田さんのお父さんは、昔、知られたライフル射撃の名手で、麻生太郎氏と一緒に各国の大会を転戦したという。
 ジビエの肉は土地によってはっきりと違うそうだ。例えば、海辺のエゾジカは海藻を食べるのでミネラルの多い良い肉になると横田さん。

 去年ご縁ができた郡上市は日本三大猪の産地で、「日本猪祭り」を開催している。この「利き猪グランプリ」では全国10府県20地域から集まった猪肉の食べ比べを行う。主宰する「猪鹿庁」(いのしかちょう)というグループの人によると、同じイノシシでも、和歌山県のミカン畑の近くのイノシシは柑橘類の味がするなど、いろんな発見があるという。おもしろそうだ。http://inoshika.jp/
 ジビエを、ただ野生の肉とするのではなく、その土地その土地の風土に生きる命ととらえれば、ジビエの楽しみはぐっと深まるだろう。
 今年の「日本猪祭り」は3月3日(土)、4(日)。関心のある方はどうぞ郡上へ。