岩波文庫「私の三冊」

 きょううちの取材チームが海外の某国へと出発した。
 先週その国に現地入りした先乗り隊からは、日中の気温は50度前後で、外に出ると気が遠くなる、1日に撮影できるのは3時間がせいぜい、との報告が来ている。さらに、気温50度を超えると、オフィスも会社も休みになるとのことで取材には悪条件ばかりだ。それより、熱中症にでもなると命にかかわる。水分補給用のポカリスエットの粉末など、暑さ対策をして成田空港から飛び立っていった。無事を祈る。
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 某国には及ばないが、暑い。冷房をかけて家に閉じこもっていたが、夕方散歩にでもと外へ出た。薄暗くなったなかを歩いていたら、赤い塊が目に飛び込んできた。サルスベリの花だ。真夏の花である。百日紅(ひゃくじつこう)ともいうのは、赤い花が長い間咲き続けるからだという。見上げると丸い月が。明日あたり満月か。
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 森本喜久男さんの「情熱大陸」の「追悼 特別再配信」がきょうから始まりました。「情熱大陸」のホームページhttp://www.mbs.jp/jounetsu/から見ることができます。どうぞご利用ください。
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 本屋でタダでもらえる岩波書店の『図書』9月号は臨時増刊、岩波文庫創刊90周年記念「私の三冊」だ。「各界を代表する皆さま」に「今までにお読みになった岩波文庫のうち、今日なお心に残る書物」「あるいはぜひとも他の人びとにも勧めたい」書物三点を選ぶよう依頼したアンケートの結果が載っている。228人が回答しており、それぞれ短評が書かれている。自分の好きな本が出てくるとうれしい。
 最も多く挙げられたのは、アウレリウスの『自省録』と福沢諭吉福翁自伝』で、6人が「私の三冊」の一冊に入れている。『自省録』は私の愛読書だが、これがトップとは驚いた。
 5人が挙げたのが、知里幸恵編訳『アイヌ神揺集』、九鬼周造『「いき」の構造』、マルクス『経済学・哲学草稿』、『中江兆民 三酔人経綸問答』、森鴎外渋江抽斎』、ウェーバー『職業としての学問』、ウェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。
 4人が、カント『永遠平和のために』、吉野源三郎君たちはどう生きるか』、キェルケゴール死に至る病』、永井荷風断腸亭日乗』、『萩原朔太郎詩集』、パスカル『パンセ』を挙げた。
 いろんな人の「三冊」をながめていると、へえ、あの人がこんな本を推薦しているのか、そんなに面白いのかな、と読書欲をそそられる。