常岡さん拘束される

常岡浩介さんがイラクで拘束されたもようだ。
きょう、フジTVの夕方のニュースを皮切りにメディアが報じ始めた。
《【カイロ時事】在イラク日本大使館は31日、イラク北部で取材中のジャーナリスト常岡浩介氏(47)を現地当局が拘束したとの情報があり、「事実関係の確認を急いでいる」と明らかにした。イラク北部では、過激派組織「イスラム国」(IS)の支配下にある要衝モスルの奪還作戦が展開されている。常岡氏は関連取材で現地を訪れていたとみられるが、拘束したのがISと戦うイラク部隊やクルド人治安部隊「ペシュメルガ」であれば、危害が加えられる可能性は小さい。常岡氏は中東・イスラム圏での取材経験豊富なジャーナリスト。2010年にはアフガニスタン武装勢力に拉致され、約5カ月にわたって身柄を拘束された。》(2016/10/31-22:17)

私もこれ以上の情報を持っていないが、メディア各社からの問い合わせもあり、拘束までの事実関係をここに記しておく。
毎日、マメに連絡してきていた常岡さんとコンタクトが取れなくなったのは27日(木)。
「これから(クルド自治区政府の)バルザニ大統領の記者会見を取材するため、バーシカに向かう」とラインで知らせてきたのが彼からの最後の通信だった。日本時間の27日夕方6時半前、発信地はバルテラという、「イスラム国」から奪還した町の近く。バーシカは20日ペシュメルガの総攻撃を常岡さんが取材した場所で、いずれもモスルの東20kmほどの位置にある。
それ以降、こちらからの呼びかけに全く返信がないまま丸二日、29日(土)の夜になった。前線でも通信事情が悪いなりにラインは通じていた。スマホの紛失なら誰かのを借りて連絡できるはずだ。何か非常事態が起きたと確信した。最悪、常岡さんの死亡または重傷という事態もありうると考えた。意を決して、夜9時、イラク日本大使館に電話を入れ、常岡さんとの連絡が切れたことを通報した。以上が経緯である。

上記の時事のニュースで「現地当局が拘束した」とあるが、これが正しいとすれば、「当局」とはKRG(クルド自治区政府)に違いない。常岡さんが移動したのはペシュメルガが支配する地域だけだったからだ。
拘束の理由はまだ不明だが、拘束しているのがクルド自治区政府であるとすれば、「イスラム国」のように処刑したり身代金を要求したりすることはないだろう。最悪の事態は免れるのではないかと思いつつ、無事の連絡を待っている。