国会が迷彩した時代があった

夏が来て終戦特番の取材が続いている。
ちょうど安保法制が衆院特別委員会で強行採決されたあと、国会前からオフィスに帰り、特番の資料の東京大空襲写真集を見ていたら、国会が写っているのに目が留まった。
キャプションに「陸軍経理部の焼跡と迷彩した帝国議会議事堂 1945年3月10日、石川光陽撮影」とある。
建物が黒いのは「迷彩」を施していたからなのか。知らなかった。
迷彩した議事堂。こういう写真は、多くの人に見せたいものだ。
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ジャーナリストの安田純平さんがシリアで行方不明になっている。
3年前、安田さんがシリア取材した成果を、私がプロデュースして報道特集で放送したのがきっかけで、取材の相談にのるようになった。
今回も連絡を取り合っていたのだが、途中で途絶えた。調べると、ある武装勢力にとらわれているようだ。「イスラム国」ではないので、すぐ殺されたりはしないだろう。仲間たちが救出を試みているのだが、まだうまくいっていない。
日本政府は、1月の「イスラム国」邦人人質事件のときに見られるように、へたに動き出すと、むしろ人質の生命を脅かすから、政府には知られないよう、隠密で動いていた。
ところが、先週、9日、菅官房長官会見で、あるテレビ局記者が安田さん不明情報を質問して一気にメディアに広まった。

こないだの日曜12日、友人のジャーナリスト、常岡浩介さんが救出のため、トルコに向かったが失敗した。イスタンブールの空港で入国拒否されて日本に送還されたのだ。
これは常岡さん本人がツイッターで書いているからここで明らかにしてもいいだろう。
出発前日、常岡さんに「きっと入国拒否されるが、当たって砕けろだね」と言って送り出したのだった。何と言っても彼はいまだお尋ね者、「私戦予備陰謀」の「容疑者」だから、まず確実に日本政府はトルコ政府に対して常岡さんを入国させないよう要請しているはずだ。

16日はラマダン明け。この機に恩赦、解放となりやすいと聞いたので、期待していたのだが、まだ良い知らせは来ていない。無事を祈る。
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ホルムズの根拠薄れてさあ急げ    (静岡県 増田謙一郎 朝日川柳より)

イラン核協議最終合意で、米vsイランの戦争可能性は著しく低下した。それ今のうちだ!と安保法制を可決したかのようなタイミングを詠んだ。
国会で議論すればするほど国民の支持がなくなるのが分かっているので、採択を急いでいる。安倍首相は、かなり追い詰められた心境だと察する。
追い詰められた首相、轟々たる批判を浴びている新国立競技場の建設計画を、急転直下、白紙に見直すと表明した。
《「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す、そう決断いたしました」(安倍首相)
 総工費が当初の計画の倍近い2520億円に膨らんだ新しい国立競技場の建設計画。世論の批判に応える形で安倍総理は17日、正式に見直しを表明しました。》
これから、沖縄基地問題、TPP交渉、原発再稼動、70年談話と難問が待ち受けるなか、新国立競技場でがんばったら持ちこたえられないと判断したのだろう。

よかったのだが、これでガス抜きになって国民の批判がやわらぐ危険もある。
要注意。