自民党こそ放送法違反だ

takase222015-04-25

オフィスが面している靖国通り
歩道のツツジが満開で、街の雰囲気も一変している。
花はすごいな、人間の感情にまで影響を与える。

そもそも、花というのは植物の生殖器官だ。
有性生殖、つまり雄と雌が生殖をおこなって種を作るのが種子植物。そのうち、はっきりとした「花」をつけるのは被子植物だが、これが一気に地球の陸上に広まるのが白亜紀以降で、ちょうど恐竜の絶滅と機を一にしている。

恐竜時代、哺乳類は「日陰者」だった。
昼間は圧倒的な恐竜の天下で、陸上を支配しただけでなく、空を飛び回っているのも恐竜だった。当時、哺乳類はみな小型で、穴などに隠れ、気温が下がって恐竜の活動が鈍くなる夜間に這い出てきてこそこそと動き回った。
恐竜の絶滅により、いっせいに哺乳類が陽光の下で活動しはじめると、そこには花が咲き乱れていた・・・。そんな映像を頭に描くと、ちょっと感動する。

花への親しみの感情は、我らのご先祖である当時の哺乳類から受け継がれてきたのかもしれない。
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さて、自民党がテレ朝とNHKの幹部を呼び出した事件。
池上彰さんが、きのうの「新聞ななめ読み」でとても説得力のある議論を展開している。

《これが欧米の民主主義国で起きたら、どんな騒動になることやら。放送局の放送内容に関して、政権与党が事情聴取のために放送局の幹部を呼び出す。言論の自由表現の自由に対する権力のあからさまな介入であるとして、政権基盤を揺るがしかねない事件になるはずです。
(略)
では、なぜ自民党の行動は問題なのか。自民党が呼び出した理由は、放送法に違反した疑いがあるから。放送法の第4条第3項に「報道は事実をまげないですること」とあるからです。
 しかし、実は放送法は、権力の介入を防ぐための法律なのです。
 放送法の目的は第1条に書かれ、第2項は次のようになっています。「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」
 つまり、「表現の自由」を確保するためのもの。放送局が自らを律することで、権力の介入を防ぐ仕組みなのです。
 この点に関しては、さらに第3条に明確化されています。「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」
 戦前の日本放送協会が権力の宣伝機関になっていたことへの反省を踏まえ、放送局が権力から独立したものになるような仕掛けにしたのです。これが放送法です。
 自民党には、「法律に定める権限」がありませんから、放送局に対して干渉することはできないのです。その意味では、自民党の事情聴取こそが放送法違反になりかねない行為だったのです。》(朝日新聞

かつて、自民党にも常識の通じる人たちがいて、暴走をたしなめたものだが、今は異論が聞こえてこない。
不気味だ。