きのう、1時間ほど国分寺の史跡付近を散歩した。
「緑のぶんじフェスタ」をやっていて、人出が多かった。崖線(ハケ)の湧水の水が小川となって流れ、遊歩道になっている。カラーの白い花が清流に映えて美しい。
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話題の漫画「美味しんぼ」がどう終わるのか。
今日発売のビッグコミック・スピリッツを読んでみた。
放射能の影響については、海原雄山が総括的に「私は一人の人間として、福島の人たちに、危ないところから逃げる勇気を持ってほしいと言いたいのだ」と語り、これを受ける形で、山岡が「われわれにできることは。福島を出たいという人たちに対して、全力を挙げて協力することだ」と結ぶ。
前号では、福島県全体が汚染されて人が住むには危険だと言っていた。今回は、福島県の会津若松市で伝統の会津料理を楽しみながら、上記の話をするので、福島県全体が危ないという印象は多少薄まっている。
「危ないところから逃げる勇気」という表現も、福島県の一部の「危ないところ」とも読める。批判にさらされて配慮したのかもしれない。
漫画の最後に「ご批判とご意見」が掲載されており、これが非常に興味深い。
専門家だけでも、安斎育郎(立命大名誉教授)、小出裕章(京大助教)、崎山比早子(医学博士)、津田敏秀(岡山大教授)、野口邦和(日大准教授)、肥田舜太郎(医師)、矢ヶ崎克馬(琉球大名誉教)、山田真(医師)と代表的論客が登場している。
原発事故と放射能の影響について、これほど評価・判断が違うのかとあらためて驚く。「鼻血」一つとっても、「実際に多い」、「十分ありうる」から「絶対にない」までさまざま。
ここでは小児科医の山田真氏の意見を紹介したい。
山田真氏は「子どもを放射能から守る全国小児科ネットワーク」代表で、あの山下俊一教授を「アメリカの傀儡」と批判し、内部被曝にはきわめて警戒的なスタンスをとる方である。
その山田医師、個人で子どもの「鼻血」の調査をやっていたのだ。こんな調査があったのを初めて知った。
2011年3月〜11月の間、福島、北海道、福岡の3地域の小学1年生の何%が鼻血を出したかを調べた結果、
福岡が最も多く、612人中159人(26.0%)
次が北海道で、小樽が718人中164人(22.8%)、岩見沢が434人中32人(7.4%)
そして福島が一番低く、福島市内が77人中8人(10.4%)、いわきが341人中8人(2.3%)、会津が499人中16人(3.2%)。
山田氏は「原発事故の影響で鼻血が増えているということはありませんでした」と結論づけている。そして
「鼻血が現地で問題になっているのなら、安心してもらうための調査をすることが必要です。私のような小規模な調査でも、心配している方にそのデータを使って説明すると安心してもらえるんだから、もっと大きな規模の調査をやるべきでしょう。しかし、国はそういうことをやらない。(略)不安の中で生きている人が、『放射能のせいじゃないか』と思うのも当然だと思う」と結ぶ。
また、福島県からの避難についてはこう言う。
「『美味しんぼ』では、福島の方々の避難を求めているようですが、その意見は正論です。しかし、現実を見るとそう簡単に言いづらいのです。
私は自主避難されている方たちの健康相談をやっていますが、避難先でとてもつらい生活を強いられている人が多い。精神的にも、肉体的にも不安定になっています。避難先で外出もあまりせず、福島から来ていることすら隠している。避難生活もたやすいことではないのです。
『避難すべき』というのは簡単ですが、現実には難しい問題を抱えている。私も2011年の終わり頃までは避難すべきと言っていましたが、今、福島では避難したいけれど様々な事情で避難できない人が多いから、その人たちに『ここにいるのは危険だから逃げなさい』と言ってもむなしいのです。国に対して避難したい人が避難できるよう要求し、また避難先で安心して暮らせるよう条件整備をすることを求め、戦っていく必要があります」。
避難する必要はないと考える医師とも協議しうる意見だと思う。
現実と日々向き合っている人々は、立場は違っても、共通の認識に辿りつけるのではないかと希望を持った。