福島県の子どもたちが自信を持って暮らしてほしい

takase222014-05-15

咲き誇るマーガレット。
朝、駅に行くとき通る園芸好きのお宅の庭先で撮った。
花言葉は「恋占い」。好き、嫌い、好き、嫌い・・と呟きながらマーガレットの花弁をむしるなんてことは、今の女の子はもうしないのかな。
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安倍首相の記者会見をライブで観た。
「安保法制懇」の報告書が出たのを受けての会見だが、そもそもが、この懇談会、首相のお気に入りだけの私的な集まりで、全員が集団的自衛権行使賛成だという。メンバーの中には私も親しくさせてもらった人もいるが、誰が見ても偏った顔ぶれだ。
そこから報告書が出たので、政府の考えを説明します、などというのは、はじめから茶番なのだが、首相の記者会見は「うまいな」と思った。
子どもを抱いた母親など情緒的な絵を大きなパネルにして、「国民の命と暮らしを守る」を連発。「安保法制懇」の報告書は行き過ぎなので自分が慎重に歯止めをかけますと、抑えにかかるようなもの言い。まるで首相が常識ある穏健派のように見える。
裏を読もうとする人なら、計算されたパフォーマンスじゃないかと疑うだろうが、多くの人にとっての会見の印象は悪くなかったと思う。

謎解きは、夜の「報道ステーション」で、テレ朝の記者がしてくれた。

安倍首相が、「プーチンは偉い」と側近に言った。
ウクライナ全体を取ると見せて、クリミア半島だけにしたら、そのくらいならいいだろうと世界に認められている。大きく広げて少なく取れば誰も文句はいわない。集団的自衛権の問題も同じようにやればいい・・と。
(別の用事をしながら観ていたので、言い回しは正確ではない)

首相は策が好きらしい。
解説の恵村順一郎朝日新聞論説委員)が、政府の解釈で集団的自衛権を行使できるようにすることは許されるものではないとはっきり言い切ったのは良識だ。
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ベトナムでの反中国暴動で死傷者が多数出た。また、タイでも騒乱のなか死者が出ている。
どこも問題山積だ。
さて、前回の「美味しんぼ」問題のつづき。
うちのスタッフで「ビッグコミックスピリッツ」の読者がいたので、今週号を借りて読んでみた。私は騒がれているほど酷いとは思わなかった。
福島は汚染されてしまったので住んではならないと言うのは、前双葉町長の井戸川さんの持論で、漫画では彼の発言を紹介している。その上で、主人公らがそれが「真実」だとうなづいて今週号は終っている。
井戸川さんのような極端な意見を言う人は、以前も今もいる。これは意見表明なので、制限してはならない。ただ、これを正しいとした「美味しんぼ」は、その影響力に応じた責任が伴うはずだ。
自民党が野党だった3年前、森まさこ、山谷えり子、熊谷大君ら自民党議員が国会で「鼻血」問題を追及していたという。
http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-1708.html
政治家も当然、「責任」が生じるはずだが。

この騒動のなかで、私が共感したのは、南相馬市立総合病院の坪倉医師の「鼻血漫画をバネにして進めるべきこと」というブログだった。以下に紹介する。
《最近、とある漫画で、鼻血の件が話題になっているのを知りました。
確かに大量の放射線(現在の福島県内の1時間あたりに浴びる空間線量の100万倍とか、そういう大量の場合です)の被曝により、出血傾向となり、鼻血が出ることはあります。
人間は骨の中にある骨髄という場所で血液を作っていますが、大量の被曝によって血液を作る細胞などがダメージを受けて、血液を作ることができなくなります。
その際、血小板という出血を止める糊のようなものが減ってしまって出血しやすくなります。ただこの場合の出血は、「鼻血が出た」という表現で済むレベルではありません。血を止めるすべがなくなってしまう訳ですから、実際の粘膜を焼灼しなければ失血死するリスクすら負うような厳しいものです。
身体からすれば、出血しやすい場所は鼻だけというわけではなく、歯を磨けば歯茎から血が止まりませんし、どこかをぶつければ大きなあざになりますし、痔や生理なども問題になります。
骨髄で血小板を作れなくなり、出血傾向になるのは白血病も同様です。実際の白血病の初回治療時には、生理を止めるために女性ホルモン剤を使用します。 
話が逸れました。繰り返しになりますが、これは大量の被曝の際の問題なのです。たとえば、頭のCT検査(現在の南相馬市内で受ける外部被曝の数年分を、一瞬で浴びるレベルになります)やレントゲン検査で鼻血には誰もなりません。誰も、です。
空気中の放射性物質が粘膜に付着することによって起こりうるとか色々おっしゃる方もいますが、いずれにせよ現状の福島県内のダストサンプリング含む被曝線量の検査結果から考えれば、噴飯物の話です。鼻血が医学的に放射線被曝との因果関係を疑う必要のある状況にはありません。南相馬市や相馬市でそんな患者さんが増えていることは、震災直後も含めて全くありません。
この話を聞いて私の頭に思い浮かんだことは、今まで放射線の授業もしてきた福島県浜通りの中学生や高校生が、どこかでこの話をされた時に、きちんと自分の言葉で説明できるだろうか?ということです。
ただ、一言です。
放射線の影響は量の問題です。福島県内での線量については、これこれという検査がされていて、そんな線量にはありませんよ」とだけでも、言えるようになってほしいと思っています。
 3年経った今でも、現状で起きることはありえない急性放射線障害にまつわるような風説が流布されるような状況があるのだと言えるでしょう。今後もきっと何らかの形で、同じような話が繰り返されるのだろうと思います。
でも、「どうやら違うらしいよ」という認識だけで終わらないでほしい。そのエネルギーは、批判したり、抗議したりといった他罰的な方向ではなく、子供達が自信を持って生活していくために、必要な情報を現場の子供達にいかに伝えるかという方向に向かってほしい。特に子供達みんなが、今回のようなことに対して、自分の言葉で一言でも良いから説明できるようになるきっかけになってほしいのです。
福島県内だけではなく、可能であれば日本全国で考えるべきことなのです。きっと教育なのでしょうけれど、家庭でも、学校でも、誰かが子供達に少し伝えてあげるだけで良いのだと思います。》
http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014051200007.html
さて、みなさんはどう考えますか。