「美味しんぼ」を閣僚が5人も批判

takase222014-05-13

青空にそびえる杉の大木。
ながめているだけで気持ちが大きく安らかになる。
このところ上着のいらない気温の高い日が続いて、夏に向かっていくのを実感する。
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朝鮮総連の不服申し立てが却下された。
競売にかけられた朝鮮総連中央本部の土地・建物の再入札で、
《東京高裁は12日、22億1千万円で落札した不動産投資会社「マルナカホールディングス」(マルナカHD、高松市)への売却を許可した東京地裁の決定について、朝鮮総連の不服申し立て(執行抗告)を棄却した。マルナカHDが代金を納付すれば、所有権が移転する。朝鮮総連は最重要拠点の明け渡しを迫られることになった。(略)
今回の決定に対し、朝鮮総連は5日以内に最高裁に不服申し立て(特別抗告)などができる。だが高裁の決定で売却手続きが始まり、最高裁の判断を待つことなく、約1カ月の期限内に代金が納付された時点で土地・建物の所有権が同社に移ることになる。》(朝日)
先月1年4カ月ぶりに再開した日朝局長級協議で、北朝鮮側は、総連本部競売問題の「解決」を強く要請したとされる。これに対して日本政府は「介入しない」との姿勢だが、どうなるか、今後の展開を注視したい。
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人気連載漫画「美味しんぼ」(作:雁屋哲)での描写が大きな問題になっている。
私は、漫画に登場する双葉町前町長、井戸川さんから「鼻血」の話を直接聞いた。すね毛も抜けたと言っていた。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20111013
私の持っていた知識からすると「まさか!」なのだが、反論や否定はしなかった。事故被災地の首長としての想像を絶するストレスの下では、そのくらいの体の異変は起きるだろうと思ったのだ。
他方、大阪のがれき処理については、そもそもが岩手と宮城のがれきだけなので、放射能による健康被害はありえないと私は思う。

影響力のある媒体での表現であるから、批判され、説明を求められるのは当然だ。
ただ、内閣閣僚が5人も相次いで「美味しんぼ」への批判を発表したり、新聞が社説で批判したり(読売新聞)するのはやりすぎ。まるでつるし上げだ。自由なはずの言論・表現を自己規制することにつながってはならないと思う。
東京都知事選の最中、細川護熙元総理が、福島原発事故で「シロクマ、アザラシが大量死している」などというトンデモ情報を発信していたが、あれは問題にもされなかった。政治家がデマを煽っていたのだから、より重大だと思うのだが。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20140127

雁屋哲氏を擁護するのは、映画「フタバから遠く離れて」を製作した船橋淳監督の「敵を見誤ってはいけない」だ。
http://www.huffingtonpost.jp/atsushi-funahashi/oishimbo_b_5313031.html
《地に足の着いた直接取材に基づく、一次情報としての現実描写であ》り、《その冷徹で忠実な客観性は、殆どドキュメンタリーのそれである。》
《福島の人々を貶めようとする意図など全くないのは一目瞭然。むしろ、その逆であり、全編が福島への愛情で貫かれている》と高く評価している。
船橋さんは尊敬するドキュメンタリー監督で一緒にお仕事もした関係だが、私は違った受け止め方をした。
いろいろな意見のなかで、私が最も共感したのは、南相馬市のある医師の発言だった。
(つづく)