ネットにはできない調査報道

takase222013-10-24

きのうまで2泊3日で北京にいた。
PM2.5による大気汚染に気をつけろと言われたが、さほど感じなかった。
たしかに、朝日が真っ赤だったのは、スモッグのせいだったのだろう。
写真は東直門のグルメ街。ものすごい数の赤提灯があって、ザリガニ料理を出す店が並んでいた。あついエネルギーを感じて元気づけられた。
北京の話はまたいずれ。
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朝日新聞の「手抜き除染」報道の結果、国が行う除染は「2年で終了」という期限に見直しがなされた。
放送があったその朝(19日)の朝日朝刊が、ちょうどそれを伝えている。
「福島6市町村除染 最長3年遅れ」の記事.
ただ3年遅らせてもやれるかどうか。
原発事故で住民に避難指示が出された福島県内の11市町村で国が行う直轄除染で、作業期間が延長される7市町村のうち6市町村に環境省が内々に示していた新しい工程案の内容が分かった。今年度中に終わらせるという当初予定に比べ、飯舘村では最長で約3年、南相馬市などでも2年以上の延長が必要となっている。(略)
 作業員数は1日あたり千人前後から数千人を想定。飯舘村では最大で1日9600人という案も作った。市町村側からは「とても確保できるとは思えない」という声が出ている。
 除染完了が遅れれば住民の帰還もそれだけ遅れる。同省は「工程案は対象面積からこれだけの作業員なら何日間と示したもの。どうしたらいいか一緒に考えてくださいと市町村にお願いしている」と話す。
 環境省は終了時期などについて、年内に発表すると説明している。》
除染をどう進めるかの方針が、事故後2年半経つというのに、まだはっきりしない。
ところで、朝日新聞の青木美希記者は、ツテもコネもなく、2011年6月に福島県に入った。
作業員を見つけては声をかけるを繰り返して、少しづつ信頼関係を築いていった。その成果が実を結んだのが、2012年7月の「線量計に鉛板 被曝隠し」のスクープである。東電下請が作業員に指示して線量計が上がらぬよう鉛の板でカバーしていた事実をすっぱ抜いたのだ。
現地に入って1年が過ぎていた。
青木記者は、情報が氾濫している今、新聞の役割はむしろ重くなっている、調査報道はネットメディアにはできない、権力監視のツールだと言う。
自信をもってこういい切れる記者はなかなかいない。立派だ。
こういう調査報道には時間も金もかかる。最近、テレビが調査報道をなかなか我々のような独立系制作会社やフリーに回してくれない。テレビ局に頼らずに調査報道をやる方法はないものか。