「金がない」のは最高の幸せだって!

このところ、ちょっと疲れているようだ。
くじけそうになるとき、思い出す言葉がある。

福島県飯舘村の長泥(ながどろ)地区の区長、鴫原(しぎはら)良友さんが言ったことばである。
「忙しくてどうしようもない」「金がなくて困った」「仕事がうまくいかない」、こういうのは最高の幸せですよ!
私は耳を疑った。お金もなく、仕事もうまくいかないなどという、心が萎えるはずの状況がなぜ「最高の幸せ」なのか?
飯舘村でも放射線量が高い長泥地区では、避難命令で自宅を捨てさせられ、家畜は処分され、農地は収穫できず、村内の会社は操業停止でみな失業し、大家族はばらばらになり・・と故郷も仕事も家族や友人も「すべて」を失ったわけである。
何もすることがないほどつらいことはない、自分がいま何をしたいのかも分からなくなる。発狂しそうになるという。
鴫原さんから見れば、我々の悩み多き日常は「幸せ」なのだ。だって、そもそも仕事というものがなければ「仕事がうまくいかない」という悩みは出てこないではないか。
一見常識はずれの言葉だったが、体験者から直接聞いてはじめて、ああそうなのかと気付かされる。物事は見方によって全然違ってくることが納得できた。こういうものの見方をすれば、私の旧友のように自死することもないはずだ。
鴫原さんはこうも言った。
おれはこの人生を後悔したくない。だから後ろ向きにはならない。辛いこと、嫌なことがやってくると、「それきた」と喜ぶようにしている。これも試練だろうと前向きに考える・・
(去年のブログから引用)http://d.hatena.ne.jp/takase22/20120713

お話を聞いたのは、ちょうど1年ほど前のことだった。
何度読み返してもすばらしい。
今の人生が順調にいっているとは思えないみなさんにちょっとでも元気づけになれば幸いです。
きょうはこれでおしまい。