スーチーさんに「瞑想」を感じた

takase222013-04-17

満開のドウダンツツジ
スーチーさん関連のニュースが多い。
NHKの「クローズアップ現代」で国谷裕子キャスターが、また、テレビ朝日報道ステーション」では古舘伊知郎キャスターが、それぞれ、スーチーさんとインタビューしたのを流していた。
インタビューというのはインタビューする側の力量がはっきり出る。人は自分の器でしか質問できないからだ。
国谷さんからは十分な準備をうかがわせ(スーチーさんの英語で出た本を読みこんでいないとできない質問もあった)、古舘さんは現場の雰囲気で当意即妙なやり取りをしていて、インタビューの競演を楽しませてくれた。

スーチーさんの言葉には何度も共感する部分があった。
「失敗してもいい。人生は冒険なのだから。失敗を怖れてはならない。」
「したいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが人生だ」
「時間との闘いだというふうには思わない。時間を大切に使いたいと思う」
いずれもクロ現からだが、最後は、3年後は70歳になる彼女が大統領になれるかということが関心の的になっていることを意識した言葉。
スーチーさんの言葉を聴きながら、「彼女、かなり瞑想しているんじゃないかな」と思った。
おいおい、いきなり突飛なこと言うなよ、と笑われそうだが、言葉と表現の深み、表情の動き、それに肝の据わり方に「瞑想の世界」の匂いを感じてしまったのだ。気になって調べたら、実際、彼女は毎日瞑想を実践しているという。

小乗仏教の世界で「戒律のタイ」に対して「瞑想のビルマと言われるほど、ミャンマーには瞑想の伝統がある。とするとスーチーさんが実践しているのは小乗の正統派「ヴィパッサナー瞑想」だろう。(アメリカで流行し、近年、日本にも入ってきた)
テレビでスーチーさんのインタビューを見た人は、日本の政治家とのあまりの違いに驚き、ある種、常人を超えた人格(あるいは霊格)を感じて、彼女の人となりを知りたくなったと思う。
私もさっき彼女についての本を注文してしまった。
私は十数年前に複数回、単独で彼女の自宅に入って話をしているのだが、当時は、政治情勢についての応答が主だったし、スーチーさんの方にもある種の「硬さ」があって、生き方や信条を縦横に語るということはなかった。今回の訪日で、知らなかった彼女の一面を見た。
・・・・・・・
ところで、来週、ミャンマーに関するちょっと変わったドキュメンタリー番組が放送されます。
来週月曜22日深夜(なんと日付が23日になった早朝3時10分)、テレビ朝日のドキュメンタリー「テレメンタリー」で、「同志は『スパイ』だったのか〜ミャンマー民主化運動粛清事件21年目の真実」という番組を放送します。
番組HPの予告文は・・
民主化が進むミャンマー
その一方で、これまで語られてこなかった民主化闘争の暗部も露呈してきた。民主化勢力の内部で、多くの同志を「スパイ」として拷問し処刑したというのだ。「自由」という高い理想を掲げながら、血なまぐさい「粛清」が行われたのはなぜか。
21年前、「粛清」の現場を取材した一人の記者が、その真相を探るべく再びミャンマーに向かった》http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/
実はこの「一人の記者」というのが私で、いってみれば私が主人公のドキュメンタリーだ。
これについては思い出がある。
(つづく)
なお「テレメンタリー2013」はANN系列局ごとに放送時間帯が違います。テレビ朝日は22日(月)深夜27:10(つまり23日早朝3:10)から。朝日放送は21日(日)朝6:20から。ネットでご確認ください。http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/contents/broadcast/index.html