雨のなか「再稼動反対」のデモ

takase222012-07-06

先々週、先週と盛り上がった、金曜夜の国会、首相官邸への反原発デモ。
大飯原発が再稼動したあとのきょうはどうなるのだろうと行ってみた。
地下鉄、国会議事堂前の駅に着くと、構内で友人のカメラマン、佐藤文則さんとバッタリ。佐藤さんは、長年ハイチを取材している人だ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20100218
「今着いたの?」と聞くと、すでに一度地上で撮影して、別の場所に移動するのだという。警察の規制が厳しいので地下鉄の中を移動するのが便利だということらしい。毎回デモの取材に来ているらしく、さすがの土地勘である。
駅の構内にすでに警官がいっぱい。出口も歩く方向も規制される。地上に出ると、雨がぱらついていたが、人の波は延々と続いている。デモ参加者は、規制で歩道に細く長く押し込められ、私は後ろから押されるようにして、列の後ろのほうに15分ほど歩かされた。視界には数百人しか入らず、全体像がつかめないが、警官の数と警備態勢は数万人単位のデモの規制を前提にしていると思った。
デモ隊の最後尾は霞ヶ関の官庁街まで延びていた。霞ヶ関交差点角、経産省の前には「反原発テント」がある。(写真)
スタッフと話していたら、「きょうでちょうど300日目だ」とのこと。毎晩数名が泊り込んでいるそうだ。普通ならすぐ撤去されそうなものだが、よく続いていると感心。
デモ参加者には、旗やスピーカーを持つグループもいるが、ほとんどはてんでに来た人で、あっちこっちで勝手にシュプレヒコールを叫んでいる。
このデモを広瀬隆さんや「ビジュアルジャーナリスト協会」の綿井健陽さん、野田雅也さん(チベットを撮りつづけている)などがヘリをチャーターして上空から撮影してネット配信している。マスコミが報じないので、じゃあ自分たちがやろうということになったという。東京新聞によると、この取材活動に個人からの寄付が相次ぎ、860万円に達したそうだ。何らかの意思表示をしたいという潜在的な欲求は非常に大きい。マスコミへの不信も。
それにしても、これだけ巨大な抗議行動に発展したのは、ここ数ヶ月、明確な民意があったのに、それを露骨に無視し、バカにするような政治が続いたからだろう。「紫陽花革命」というのだそうだが、この怒りの表明は、今後、どういう形に展開していくのだろうか。