電力自由化を勉強しよう8−財界人は日経を読め

takase222012-02-14

ゆうべは「卵を買ってきて」とメールが入ったのでスーパーで買って帰ると、それはケーキの材料だった。
娘二人が深夜までかかって大量のお菓子を作っていた。私もカップケーキをもらった。
今夜は、お返しにもらった袋いっぱいのお菓子を「これは甘すぎ」とか「シンプルでいい」などと言いながら食べている。
バレンタインにちなんで、私は「愛のチョコパイ作戦」に募金してきた。
http://www.asahi-net.or.jp/~fe6h-ktu/topics120130.pdf
私の募金で購入されたチョコパイが、風船に乗せられ、北朝鮮上空でばらまかれるさまを想像する。どんな人がそれを拾うのだろうか。
食べながら、その人も外の世界への想像をふくらませ、つながっていること、いつかは変わることに思いをはせてほしい。
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きのう、東電国有化について書いたが、国有化自体がいいとか悪いとか言えるものではない。その背景にどのような戦略があるかによって全く異なる機能と結果をもたらすだろう。
金子勝氏(慶応大教授)の以下の指摘はそのとおりだ。
《国有化でも、経営者退任だけのズルズル国有化は最悪。料金引上げと原発再稼働で事故処理・賠償・除染費用を捻出する道です。株主責任、貸し手責任をどこまで問うか、発送電分離改革を社内分社化程度にとどめるか、解体・売却まで進めるか等、注視が必要》
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去年の5月はじめの日経が「国際社会にモデル示せ」と格調高く社説で発送電分離再生可能エネルギーの促進を訴えていた。
それに比べて、財界のお偉方の姿勢はどうだ。こういうのを言葉の真の意味で「反動的」というのではないか。
原発全廃は非現実的だ」とも書いているが、以下の文章は、まさに正論である。
財界の方々はこれをしかと読んで勉強してほしい。
《災害への対応力を高めるため、北海道、本州、四国、九州を結ぶ基幹送電網を太くし、電気を融通しやすくする体制づくりが急務だ。基幹送電網の増強は、太陽光や風力など再生可能エネルギーを普及させるためにも欠かせない。
 北海道や東北には風力発電の適地が多く、温泉にも恵まれ地熱発電を増やす余地も大きい。一方、日照時間の長い西日本では、大規模な太陽光発電所(メガソーラー)の建設が有望な地点が多い。
 これらを手掛ける発電会社を後押しし、電力供給を分散型に変えることが重要だ。発電会社が送電線を安く借り、遠くの大都市に電気を送りやすくすれば、発電ビジネスを活発にして新規参入の呼び水になる。
 送電網の増強は電力会社が投資するのが原則だが、国が新たな公共事業として整備し、新規の発電会社に開放するのも一案だ。既存の電力会社からの送電事業の分離も含め、踏み込んで改革を議論すべきときだ。
 発電所と企業、家庭を情報ネットワークで結び、電気を無駄なく使うスマートグリッド(賢い送電網)の普及も急ぎたい。エアコンや照明などの運転状況をネットで監視し、電力需要の増減に応じて遠隔制御で空調の設定温度などを変える技術だ。
 これがあれば不測の大停電を防ぐのに有効なほか、天候に影響されやすい太陽光や風力による電気を安定して送配電網に取り込める。
 津波で壊滅的な被害を受けた沿岸部では、これから電力インフラの復旧が本格化する。そこにスマートグリッドを積極的に導入し、地域で電気を有効利用したり、首都圏などに送ったりする技術を実証する地域にしてはどうか。
 技術開発に携わる企業や研究機関が集まれば雇用を生み、復興に弾みがつく。この分野では米欧も新興国市場をにらみ国際標準の獲得へ動いている。被災地から新しい技術の標準を提案できれば、日本の競争力強化にも役立つだろう。
 エネルギー戦略の見直しでは、低炭素社会に道筋をつけることを忘れてはならない。主要国首脳会議(サミット)で重ねて合意した「世界の温暖化ガスを2050年までに50%削減」は、地球益を守るため国際社会の目標だ。震災は日本がその責務を免れる理由にならない。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20110506
日経は、大震災から2ヶ月もたたないうちにこんな主張を公にしていたのだ。
この方向の方が、長期的な観点から見て、社会も企業も栄えるはずなのである。結局は「得」なのだ。
目の前のもうけだけにとらわれると、それが見えなくなる。
(つづく)