震災で壊滅した町の一つが女川(おながわ)だ。(写真)
サンマ漁で知られ、水揚げ第二位。去年9月の恒例の「さんま祭り」には7万人が訪れ、新鮮なサンマを味わったという。
何年か前、友人から女川のサンマをもらったことがあり、そのうまさに感動したものだ。
きょう、その友人と話したら、漁民の知り合いのほとんどと連絡が取れないという。町長の消息も不明だとのこと。もう震災四日目だというのに・・・。陸路でのアクセスが遮断され、孤立しているようだ。
以下、きょうのNHKのニュースがすさまじい惨状を伝えている。
《宮城県女川町は、町の建物のほとんどが流され、人口のほぼ半分に当たるおよそ5千人の所在が確認できておらず、町は警察や自衛隊などと連携して、まだ連絡が取れていない住民の安否の確認を急いでいます。
人口およそ1万人の女川町は、地震の発生直後から通信手段が失われて連絡が途絶えたほか、町に通じる道路が建物のがれきなどで通れなくなっていたことから詳しい被害の状況が分かっていませんでした。地震から4日目の14日、NHKが現地に入って取材したところ、町の中心部の住宅や商店はほとんどが流され、海岸沿いに建つ消防署や、海岸から500メートルほど離れた町役場は内部がめちゃめちゃに壊れて機能を失っていました。また、避難できた人たちは女川原子力発電所の敷地内の建物や高台にある町の体育館など16か所に集まっていて、町の災害対策本部によりますと、あわせて5580人が避難しているということです。一方、残るおよそ5千人の所在が確認できていないということです。避難所で生活を続ける自営業の小野寺武則さん(60)は、自宅で津波に巻き込まれて屋根の上に逃げましたが、屋根の部分も津波で沖合に3キロほど流され、3時間半ほど漂流したあと漁船に救助されました。小野寺さんは「屋根の上にいたとき、海に飲み込まれる人を何人も見た。早く、そうした人たちが救助されるのを待っている」と話していました。(略)
一方、これまでに自衛隊などがおよそ30人の遺体を収容したということです。町は、警察や自衛隊などと連携して、まだ連絡が取れていない住民の安否の確認を急いでいます》
今回の災害は、全国に同情と連帯の気持ちを育んでいる。
それは自然なことだし、素晴らしいのだが、行き過ぎに注意したい。
ここ数日、朝から夜までテレビで津波が町をのみこむ瞬間など、生々しい映像を観つづけている人が多い。映像の力は強力で、相当のストレスを与えているはずだ。うちの娘も体調をおかしくした。
アメリカでは、「9.11」同時多発テロの後、旅客機がWTCビルに突っ込み、巨大なビルが崩れ落ちるさまがテレビで繰り返し流されたことで、たくさんの人がPTSDになったという。
被災者だけでなく、我々応援する側がまいってしまっては元も子もない。
いまツイッターなどで、情報入手手段をテレビからラジオに切り替えようという呼びかけがなされているが、賛成だ。
電力節約にもなってよいと思う。