小さな白いベル。ドウダンツツジの花が満開だ。漢字で「満天星」と書くそうだ。
たしかに、満天に輝く星のように見えなくもない。きのうの雨で落ちたのか、地面にも白い点々が・・・。散ってもきれいだ。
中国青海省の大地震で、死者は2千人を超えたという。
これに関して数日前、こんな記事が出た。
《中国外務省の姜瑜副報道局長は20日の定例会見で、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が中国青海省地震の被災者慰問のため被災地訪問を切望したことについて「現在、救援の人材は十分で、物資も続々と届いており、被災者は適切な対応を受けている」と強調し、間接的な表現で訪問の要望を拒否した。
中国政府がダライ・ラマの訪問を認めるか、との質問に答えた。
副局長は「政府は十分に現地の信仰や習俗を尊重しており、被災者への慰問も行っている。宗教界の祈りや死者への弔いも実施している」とも述べ、ダライ・ラマが慰問しなければならない必要性はないとの認識を示した。
チベット族が大多数を占める被災地の玉樹県ではチベット仏教への信仰心があつく、避難所などでは「ダライ・ラマに来てもらいたい」との声が出ている》(共同)
なんでダライラマが? と不思議に思った人もいたと思うが、この辺はもともとはチベットなのである。被災地の「玉樹チベット族自治州」の「玉樹県」は、人口の95%がチベット族だ。
この自治州は、《東部でゴロク・チベット族自治州および四川省のカンゼ・チベット族自治州、西部から南部にかけて海西モンゴル族チベット族自治州の飛び地をはさんでチベット自治区のナクチュ地区、南部でチャムド地区と接する》
チベット人は「チベット自治区」、「青海省」、「甘粛省」、「四川省」、「雲南省」に分割編入されている。だから、いろんな省にチベット人が散らばる形になっている。「チベット自治区」自体、120万平方キロと広大だが、本当の、というか、もともとのチベットは、そのおよそ二倍だとチベット人は主張する。となると、面積220万平方キロ、中国全体の4分の1、日本の6倍である。
青海省の大部分は、かつてのチベットの「アムド」地方で、チベット語のなかの「アムド」方言を話すが、玉樹は「カム」方言の地域だ。方言の壁にために救援活動がなかなか進まないとの報道もあった。
「カム」の人々は、チベット人のなかでも勇猛果敢で知られる。50年代、共産党政権のいわゆる民主改革に反対してはじめに蜂起したのが青海省の「カム」の人々で、これがチベット動乱の引き金になったのである。
青海省の「カム」とは、まさに今回の地震の被災地だ。中国政府がぴりぴりして外国からの救援を断るわけである。
実は、ダライ・ラマは、この「カム」の地で生まれている。こういう事態でも、故郷に足を踏み入れられないのだ。
いま、私も呼びかけ人になって、拉致問題を世界に訴える「ただいま」ツイッターキャンペーンをやっているが、世界中に散ったチベットの難民にも「ただいま」と言える日が来ますように。