金正日に逮捕状を!1

takase222009-12-05

すごいことになってきた。
金正日をICC(国際刑事裁判所)へ提訴する動きが、いよいよ本格化してきたのだ。
今月3日、ソウルの韓国プレスセンターで、人権団体「反人道犯罪調査委員会」が、拷問、拉致、公開処刑政治犯収容所など北朝鮮で人権弾圧に遭ったり目撃した脱北者たちの嘆願書を公開し、国際刑事裁判所(ICC、写真)に調査を促した。
この団体は、7月に設立され、50の団体が参加しているという。スローガンは「金正日国際刑事裁判所へ、北朝鮮住民たちに自由を」。金正日をICCに提訴するための活動を主軸にしている。
ICCは7年前に設立。ニュルンベルク裁判の精神を受け継ぐもので、個人による「人道に対する犯罪(Crimes against Humanity)」を扱う国際裁判所だ。スーダンダルフール問題で、スーダンの現役大統領に逮捕状を発行するなど、強力な権限を持っている。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090305
ICCには拘置所もあり、すでに十数人が勾留されている。
では、どうするのか。
ICCには、予備調査(preliminary examination)という制度がある。予備調査が受け付けられれば、調査の上で、事案に対する調査結果を発表することになる。その結果、北朝鮮における人権蹂躙が「人道に対する犯罪」に該当すると認定されれば、次の段階に進むことができる。
すでに韓国NGOの代表はICCに接触して、所定の手続きさえとれば、予備調査を実施するとの言質をもらったという。
予備調査のあと、訴状、逮捕状の発行まではいくつもの段階があり、簡単な道のりではない。国連安保理の決定も必要になるだろう。知識人ほど、そんなことは無理だ、と無関心になる傾向があると言う。私たちが外国の新聞に意見広告を出そうと呼びかけた際も、そんなことをして国際政治が動くはずがないという冷たい反応も多かった。
だが、まずは第一歩を踏み出すことが大事だ。今後、様々な条件の組み合わせによっては、意外なブレークスルーが起こりうるというのが、歴史の教訓である。
今度の土曜日の12日、「政府主催・拉致問題講演会〜すべての拉致被害者の救出に向けて〜」があり、ここで私も講演することになっている。http://www.rachi.go.jp/jp/archives/2009/1212kouenkai.html
このICCの話は意外に知られていないので、これを中心に語ってみようと思う。
金正日に逮捕状を!
(つづく)