国境なき記者団からの手紙

すでにお知らせしたように、今月19日にフランスの『ル・モンド』紙に、拉致問題の解決を訴える意見広告を出した。http://jinken.asia/
フランスの人気雑誌の記者がコンタクトしてきたり、反響がいろいろあった。あの「国境なき記者団」からもメールが届いた。
《こんにちは、
国境なき記者団は、報道の自由と、すべての人が独立したバランスのとれた情報を得る権利を守って25年間活動してきた国際団体です。
私たちの最新の「報道の自由度ランキング」は20日に発表されましたが、その同じ日に著名なフランスの新聞ルモンドにあなた方の意見広告が掲載されました。
北朝鮮はここ数年、そのランキングの最低のところに位置していましたが、今回は175カ国中174位と、ほんとうに「底」に到達しました。
私たちはながく、北朝鮮における情報の自由の欠如と濫用を積極的に非難してきました。
しかし、最近、国境なき記者団は、この問題をフランスおよび世界により広く訴えると同時に、脱北者を直接に支援するという特別なオペレーションを行いました。
最近行った行動としては次のようなものがあります。
脱北者によって設立された韓国のラジオ局3局に財政的支援と支持を与えた。
#「自由北朝鮮ラジオ」の局長に2008年度のメディア賞を授け、フランスでの記者会見に招待した。
#取材しただけで拘束された二人のアメリカ人ジャーナリスト、ユナ・リーとローラ・リンの解放のためにフランスとアメリカで大きな広報キャンペーンを行った。
#フランスの前人権大臣のRama Yade女史と数千人の脱北者を救援し中国で非常に困難な状況に置かれている韓国の牧師という二人の著名なゲストを招いて、北朝鮮に関する特別イベントを開いた。
北朝鮮の人権分野での進展を促進するためには、まだまだやるべきキャンペーンは多くあり、援助すべき人々はたくさんいます。(略)
私たちは、日本そしてより広くアジアの民主主義国からの強力な支援を待ち望み、近い将来、あなたがたにお会いしたいと思っています。》

最新の「報道の自由度ランキング」では、北朝鮮は175カ国中174位でビリから2番目。最下位はエリトリアだが、北朝鮮以下の国なんて、状況が想像できないが・・・。http://www.rsf.org/en-classement1003-2009.html
なお、1位は5カ国がならび、デンマークフィンランドアイルランドスウェーデンノルウェーと北欧勢が圧勝。あらためて北欧のすごさを見せ付けられた。ちなみに日本は大きく順位を上げて17位。
それにしても、ヨーロッパの人権団体が北朝鮮の人権状況について活発に行動を起こし始めていることは、喜ばしいし、勇気づけられる。
一昔前、ヨーロッパでは、長く植民地にしていたアフリカやイスラム圏に関心が向くことはあっても、極東にはなかなか注目が集まらなかったものだ。北朝鮮など世界地図上での位置すら知らない人がいると聞いたので、今回の『ル・モンド』紙の紙面では、わざわざ極東の地図を入れ、日本と北朝鮮の位置関係を載せたのだった。
世界の流れが変わってきたのは、日本の拉致被害者救出運動の大きな成果である。家族会はじめNGOも政府も拉致問題の重要性を発信し続けてきたことが次第に身を結びつつあるように思う。
これは、日本の意義ある「国際貢献」と言ってもよい。