漢族の民主化活動家にエールを

午後、仕事仲間Mさんの訃報が届いた。
まだ49歳で、ほとんど病気らしい病気をしたことがない、とても健康な人だったので信じられない。フリーのカメラマンで、私もよく仕事をご一緒させてもらった。3月2日サンプロで放送した特集「銃犯罪はなぜ続発するか」は彼が撮影したものだ。外国で出張中に病気になり、肺炎をこじらせて入院し2週間で亡くなった。
重篤との報に、海外旅行もしたことのない家族たちが、外国の病院のICUに見舞いに行った。そのとき最も意識がはっきりしていて、家族と交流できたことがせめてもの慰めである。一緒に出張して長い時間をともにした。子どものころ父親を早く亡くしてとても苦労した話などをしんみりと聞いた覚えがある。決して怒らない、優しい人だった。彼と出会えたことに感謝したい。
長野での聖火リレーは、予想どおりバカバカしいもので、テレビの前で苦笑するしかなかった。「五輪と政治は関係ない」という、普通なら正論とみなされる意見にかえって違和感を覚える。ヘリで上空から撮影した映像が流れたが、百人近い警備隊が伴走するさまは「政治」そのものではないか。
TBS「報道特集NEXT」で、「中国民主陣線」日本支部の活動を追っていた。これは3月23日のブログで触れたが、チベット人と連帯するごく少数の漢族の団体だ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080323
彼らは、中国民主化の伝説的活動家、魏京生氏と連携しており、独裁の中国にオリンピックを開催する資格はないという主張をしている。幹部の李松さんはある集会でこう語っていた。
《漢族とチベット人の闘いではない。独裁と自由の闘いだ》
李松さんは長野に入り、どんな活動をするか考える。北京オリンピックはやめろという団体の抗議活動に入ると彼一人が中国人で浮いてしまう。また、大勢の中国人留学生の中で訴えても全く理解されない。民主化をめざす漢族の活動家は大変だ。エールを送りたい。