高校生は日本史を学べ

takase222008-02-15

東京では冷え込んで晴れた日が続いている。写真は冬枯れの銀杏。
このブログで、私は愛国心は、若者のアイデンティティ形成にとって重要であること、愛国心は「自然に」は育まれないと書いてきた。教育が必要なのだ。愛国心を育む教育にはいろいろあるが、歴史、つまり日本史は核である。
今朝の各紙に神奈川県で高校での日本史必修化が出ている。
《神奈川県教育委員会は14日、全県立高校で、「日本史A」「日本史B」、県が独自でつくる郷土史など計4科目から最低1科目の履修を生徒に義務づける方針を明らかにした。文部科学省で改訂作業中の新しい学習指導要領が実施に移される13年度までに始める。
 松沢成文・神奈川県知事ら関東1都9県の知事は日本史必修化を文科省に求めていたが、新しい指導要領に盛り込まれない見通しとなったため、独自の対応を決めた。日本史もしくは郷土史を公立高校の全生徒に課すのは全国初という。
 中央教育審議会文科相の諮問機関)が1月に出した新指導要領についての答申では、「小中学校の社会科で日本史を中心に教えている」ことを理由に、高校では、世界史を必修とし、日本史と地理は現行通り選択科目とするよう求めている。》
高校では世界史が必修で日本史は選択だということに以前から疑問を持っていたので、この動きに私は賛成である。
どんな小さな部族でも、長老が古からの物語を受け継ぎ、若者たちに言いきかせることで、その集団に帰属することへの喜びを植えつけていく。
日本史必修化は、とりあえずはよかったのだが、大事なのは、日本史をどう教えるかである。とくに明治以降の近代史、その中でも東京裁判で判断の対象になった時期(満州事変以降)の評価が問題となる。これが微妙だということも手伝って、これまでは、中学高校では近現代史にあまり触れないようにしてきた。これが「日本史には触りたくない」という意識を生んできたのだと思う。
部族の古老の物語には、栄光だけがあるのではない。屈辱に長く耐え忍んだ歴史も織り込まれている。
日本の近代史をどう教えるか、私のブログでは、これにつき書いていきたい。