ニートの挑戦

ニート」について関心があると言ったら、大学時代からの友人のS君からインターネットのラジオ放送を勧められた。「オールニートニッポン(ANN)」という。http://www.kotolier.org/ann/
番組コーナーを持つディレクターや進行スタッフの多くもまたニートの若者で、ニートのためのニートによる放送である。
田口ランディ雨宮処凛藤井誠二(ジャーナリスト)、森達也(映画監督)、塩見孝也(元赤軍派議長)など有名人が出て、いじめ自殺やリストカットなどについて真剣に論じるトークショーをやったりもしている。
「背景とコンセプト」には、以下のように書いてある。
オールニートニッポンは真剣な社会的事業です。
オールニートニッポン』を始める背景
オールニートニッポン』はニートやひきこもりなど、「生きづらさ」を抱える若者に送るインターネットラジオです。今、ニート・ひきこもりの若者は200万人弱いるといわれ、その数はなんと日本中の大学・短大・専門学校の学生数にほぼ匹敵しています。(ちなみに不登校は13万人、フリーターは400万人*います。)しかしながら、例えば日本全国で行われている若者支援プロジェクトの多くは、参加者や利用者を集めるのにとても苦労しているのが実情です。
なぜなのでしょう?
私たちは、その主な理由を4つ考えてみました。
1.情報が直接本人に届かず、結果として不十分で、不正確な情報が伝わってしまうこと
2.多くのマスメディアは中高年を主なターゲットにしており、若者に必要な情報が届く仕組みになっていないこと
3.そもそも親の勧めるものはむしろ受け入れたくない
4.必ずしも若者の希望に適ったものが提供できているわけではないこと
4つのコンセプト
以上のような現状把握を背景に、次のような考え方で若者にとって必要な、魅力的な番組作りを目指してゆきます。
1.リアルタイムでダイレクトな情報提供を行う
2.同世代のひきこもっている若者、働けない若者、生きづらい若者、頑張っている若者の現状やストーリーを取り上げる
3.双方向のコミュニケーションを重視する
4.若者の出会いや何かをやってみる場所としてオールニートニッポンを提供する》
実に真面目なニート支援プロジェクトである。そして、ここからとてもユニークな「自立」をとげる人々が出はじめている。
その一人が、夏目涼介さん(27)だ。
高卒で自衛隊に入ったが、イジメにあって自殺も考えるほど苦しみ、5年我慢したあげく除隊。家にひきこもってしまった。去年、ANNと出会い、自分のやりたいことをやろうと決意。一歩を踏み出した。
彼の「やりたいこと」とは・・・なんとナンパだった。
(続く)