日本の凋落は政治のせい「もううんざりだ!」

 朝、府中郷土の森公園に散歩に行く。池にたくさんのハスが咲き、写真を撮ったり写生したりする人の姿があった。ハスの種類は37もあるという。

紅舞妃(べにまいひ)という種類のあでやかな花。(筆者撮影)

撮影に夢中のカメラ女子たち。

ハス博士、大賀一郎の像。

とびきり背の高い「日中友諠蓮」。まだ多くが蕾で開花はこれから。

 実は東京・府中市はハスのメッカで、ハス博士として知られる大賀一郎・東大教授が住んでいたそうだ。多くの種類がまだ咲き初めで、旬はこれから。あでやかなハスの花を眺めて爽やかな気分で一日を始めることができた。感謝。
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 タリバンがまた女性の行動に規制をかける決定を出してニュースになっている。

 タリバン暫定政権の勧善懲悪省は「7月27日までに国内の美容院を閉鎖する」ことを決めたというタリバンはこれまで教育現場やスポーツジム、公園などから次々に女性を締め出してきた。女性だけでの遠出は許されず、男性近親者の同伴が義務付けられている。直近では、現地の国連機関で働くアフガニスタン人女性の出勤を停止するようにとの通知も出している。女性の収入源を奪うことにもつながりかねず憂慮される。

 国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は7月4日のツイートで「女性の権利に対する新たな制限は、経済に悪影響を及ぼす。(タリバンが表明している)女性起業家支援とも矛盾する」と批判。美容サロン閉鎖の決定を中止するよう求めた。

「美容院は女性にとって唯一快適に過ごせる場所だった」と美容院経営者(5日のNHK国際報道より)

 いわゆる「国際社会」とタリバンのバトルはエスカレートしている。タリバンの施策はやりすぎでイスラム教の教えからも逸脱していると思うが、これでアフガニスタンへの人道支援が悪影響を受けないことを期待する

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 最近、日本の国際比較での地位低下が著しい。

 先月発表された2023年版「世界競争力ランキング」で、日本は前年より順位を1つ下げ、世界35位(主要64カ国・地域中)、過去最低となった

 評価項目は「経済実績」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4つで、アジアでは世界4位のシンガポールが最高。6位の台湾、7位の香港とともに世界のトップ10に入った。中国は21位、マレーシアが27位、韓国が28位、タイが30位、インドネシアが34位となっており、日本を上回った。日本はランキングの発表が始まった1989年から4年間は、競争力が世界首位だった。しかし、今回はアジア太平洋地域で14カ国中11位となり、目もあてられぬ凋落ぶりだ。

 やはり先月、男女平等で日本が世界125位(146カ国中)で過去最下位(23年版ジェンダーギャップ報告書)になった。男女が平等な状態を100%として世界全体の達成率が68.4%だったのに対し、日本は64.7%で、06年の発表開始以来最低だった。特に政治分野は138位ともう超後進国といっていい。

 この惨憺たる結果について、本田由紀東京大学大学院教授は「人はあまりにも歪んだ状況に長期間慣れ切ってしまうと、それほど異常とも思わなくなる傾向がある」ので、こうした国際比較は意義があるとコメントした。

 そして「長期にわたり政権の座に就いている与党のジェンダーに関する方針の鈍さや古さが重要であることは否定しえない」とも。同感。結局は政治が国の進むべき方向を示せていないのが諸悪の根源なのだ。

 このごろは、政治の劣化が暮らしを直撃していることが実感として感じられる。

 4月の実質賃金が、名目賃金の伸びを物価上昇率が上回ることで前年比3.0%の大幅マイナスとなったという。実質賃金の前年比マイナスは13カ月連続で、国民の生活水準が切り下がる状況が続いている。

日本のSDGs(持続可能な開発目標)の進み具合で、日本はトップ20から陥落して21位になった。これも北欧フィンランドが3年連続で1位だった。日本は17年に過去最高の11位だったが、年々ランクを落として今回が過去最下位となった。(朝日新聞6月21日夕刊)最近こんなニュースばっかり。

 この国をボロボロの状態にしておいて、マイナ問題では政府・与党が得体のしれない主張を続けている。来年秋には健康保険証をマイナンバーカードに一体化するというのだが、カードを持たない人にどう対応するのかと問われ、健康保険の「資格確認書」(!?)を新たに発行するという。立民の長妻昭議員が、紙の「確認書」を発行するのであれば現行保険証と変わらないと主張し、わざわざ新たに作って届けると「コストと手間が膨大になる。なぜ保険証を残さないのか」としごくまっとうな批判をした。それでも来秋の保険証廃止は見直さないと河野太郎デジタル相。与党がみな狂っているのか、それとも保険証廃止に何か我々の知らない奥深い利権でもあるのか?

 「いつまでここにうずくまり続けるのか。もう心底うんざりだ、という切実な感覚がせりあがってくることを期待する」(本田教授)

 もう心底うんざりだ!