ウクライナ支援を他の避難民にも

 日テレの「バンキシャ」で、友人のジャーナリスト、横田徹さんがウクライナ最前線をリポートしていた。

 横田さんはこの日、東部戦線に近いサポリージャ近郊で、ジョージアの外国人特殊部隊の索敵偵察に同行取材した。ロシア軍陣地に近づいてドローンで偵察するのだが、その途中、ロシア側からドローンが飛んできて。林に隠れ、「伏せろ」の声で横田さんが伏せるや砲弾が近くに着弾。さすがの横田さんも緊張の面持ちだった。

ウクライナを支援して戦うジョージアの精鋭部隊だという。NATOからの武器が前線まで来ているのがわかる。(バンキシャより)

(まだ幼い娘さんがいる横田さん、あまり無茶しないで)


 こうした前線の様子はほとんど取材されておらず、貴重な映像である。

サポリージャ北東のポクロウスケー市で露西亜軍のミサイルで負傷した兵士を取材。怪我が治ったらすぐまた前線に行くという。怖くないの?と横田さんが聞くと、この答え。

町の大きなカフェレストランは休業して兵士や市民のために食料や日用品を調達する拠点になっていた。もっとやるべきことがあると店の主人

母親は「怖い」といいながら、戦争が日常になっている

 侵攻のごく初期にウクライナで取材して帰国した人に聞くと、はじめはウクライナ当局の規制のため、ほとんど何も取材できなかったという。軍事情報(布陣地の地形、人数、兵器、補給等)を明かされたくないので、プレスには厳しい取材制限を課したのだ。

 その後、海外から大挙してやってきた取材者たちから「これじゃウクライナにいる意味がない」と抗議の声が上がる。ちょうどブチャなどロシア軍を押し返した村々での被害が分かってきたこともあり、当局はプレスツアーをはじめた。多くのメディアがツアーに乗っかり、現場では、他の取材者たちが画面に入らないようにするのが大変だったそうだ。もちろん、戦場近くにはツアーは組まれない。

 戦場取材にかける横田さんは、プレスツアーには参加せず、独自の行動をとって前線を回っている。来週も「バンキシャ」でリポートするらしい。どうぞご無事で。
 
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 マリウポリはロシア軍に完全に制圧されたようだ。

TBSニュースより

 2439人ウクライナ兵が投降したという。正確な人数かは確認されていないが、製鉄所の地下で、兵士に加え、子どもを含む1000人超の民間人が3ヶ月弱を過ごしたという事実にあらためて驚愕する。けが人の手術を麻酔なしで行ったと聞くと、日常生活の過酷さは私たちの想像を超える。

 まずは命が助かってよかったが、ロシアは「犯罪人」は裁判にかけ、捕虜交換に応じない可能性があるという。マリウポリ防衛に大きな役割を果たした「アゾフ連隊」をロシアは「ネオナチ」として侵攻の主要ターゲットの一つにしていた。

 今後は捕虜の扱いも注視していく必要がある。
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 ウクライナから日本への避難民が1000人を突破したとのニュース。

 「政府は異例の積極支援を続けている」と報じられている(朝日22日)。

 岸田首相は3月2日に避難者の受け入れを表明。4月はポーランドを訪問した林芳正外相が政府専用機に避難者を乗せて一緒に帰国したほか、ポーランド航空の直行便の座席の一部を政府が毎週末借り上げている。もちろん、自力で来日した人も多い。

 一千人の内訳は女性が758人、男性が242人。90日間の「短期滞在」の在留資格で入国し、1年間働ける「特定活動」への切り替えが認められる。

 5月からは生活支援も本格化。企業などが提供する物資やサービスを紹介する専用サイトを立ち上げ、服や家具、通訳などを手軽に探せるようにした。

 日本に身寄りがない人たちには一時滞在先のホテルを用意し、受け入れを表明した自治体などとのマッチングを進めてきた。18日時点で61人がホテルに滞在、12日には第一号として3世帯7人の受け入れ先が決定。7人は東京都と京都府内の自治体、愛知県の団体が用意した住居に移動する。

 政府は1人に最大で、ホテルを出る際に一時金16万円、その後は1日2400円の生活費を支給する。(朝日新聞などより)

 ウクライナからの避難民が保護されるのは望ましいし、政府の積極受け入れは評価できる。ただ、問題は他の国々から自力で日本に避難してきた人々の扱いとの差が大きすぎることだ。

 政府はウクライナから来た人々を「避難民」と位置付けて手厚く保護するが、難民条約にもとづく「難民」とは区別している。難民は人種、宗教などを理由に自国で迫害を受ける恐れがあり、他国へ逃れた人と定義される。日本は1982~2021年の40年間で915人しか認定していない。難民認定はしないが人道上、在留を認めた人も3289人にとどまる。

 一方、ウクライナ人は3ヶ月で一千人を受け入れている。

 難民認定の申請中、生活費(1日1600円)や住居費(単身、月4万円)などの公的支援を受けられる制度はあるが、支給を受けられる人は一部に限られるうえ、支給までに平均で3ヶ月かかるという。その間は就労ができない。食べるものも寝るところもないという窮状に陥ることになる。

 難民政策に詳しい橋本直子・一橋大准教授の「ウクライナ支援を他の避難民にも標準化すべきだ」という指摘は当然だ。

ここ数年40人台で推移してきた難民認定者が去年74人に増えたが、ミャンマー人の30人が加わったため。その一方でクルド人など認められない人々も。政治によって左右されてはならないはずだが。入管のHPより

 私が会員の「牛久の会」(牛久入管収容所問題を考える会)の今月の会報でも代表が

《(ウクライナ支援は)とてもよいことと思いますが、日本在住の外国人、仮放免を含む非正規滞在者の現状を知るものとしては内心複雑な気持ちです。「目立つウクライナ人だけへのエエカッコシー」だけでなく、全ての人々に同等の支援をすべきと思います》と意見を述べている。

 会報にはまた、7年以上!!も収容されていたタンザニア人、デリックさんが紹介されていた。
《大阪入管で7年以上収容され牛久には本年1月4日に移送されてきた。タンザニアで知り合った日本女性と結婚、配偶者ビザで来日、大阪在住時は小学校でELT(高世注;ALTか?)として子供たちに英語を教えていて「また子供達に逢いたいよー」と語る。離婚による配偶者ビザの取り消しにより収容。大阪入管収容中に再審上願を7回出したがいずれも却下され、超・長期収容者となった。》

 デリックさんは5月16日にようやく仮放免になって、とても喜んでいるそうだが、就労が許されず、今後の生活の保障はない。

 自国での「迫害」で身の危険があるケースではないが、日本に生活基盤を持ちながら在留資格を失った外国人に対する全件収容主義、無期限収容はすぐに正すべきである。

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 新緑の季節。強い陽光で光合成には最高の時期だ。

 植木鉢に枝豆を入れたらすぐ芽がでてきて、その成長ぶりに毎日驚かされている。植物の生命力はすごいな。

今月12日芽が出た。

きょう22日。もうこんなに成長した。

 そろそろ、植え替えと支柱の用意をしなければ。