お知らせです。
月一でお届けしているネットコラム『高世仁のニュース・パンフォーカス』、今月は「世界に見る男女格差解消への道」を公開しました。
森喜朗・組織委員会長の辞任で、「ジェンダー」という言葉が飛び交うようになったいま、男女格差解消をどう進めていけばいいのか・・・ご関心あればお読み下さい。
で、肝心の五輪だが、まったく盛り上がっていない。というより、みな触れるのを避けている感じもする。
朝日新聞の最新の世論調査(4月10-11日)では「今夏開催28%」。聖火リレーが始まって、だいぶ「開催」の数字が上がったが、それでも3割いかないのだ。
どう見ても、オリンピックどころじゃない。
「第4波」のお墨付きがでたコロナ感染の急拡大があり、ワクチン接種がようやく始まったものの、スケジュールがどんどん後ろにずれこんでいる。
逃げ水に似ている接種スケジュール (茨城県 岩井廣安 13日の朝日川柳より)
うまい!
世界全体でみると、ワクチンの確保自体ができていない国も多い。また最も接種が進んでいるイスラエルでもパレスチナ人は置いてきぼりにされるなど、ワクチン格差ははげしい。
コロナ禍で、国ごと、地方ごとに各スポーツ選手の練習の質と量についても大きな違いが生じている。こんな不公平はオリンピック精神に反するだろう。
世界から多くの人が集うことなしに、無観客でもいいから試合だけやれというのは、もうオリンピックではない。「参加することに意味がある」ではなくて、「開催することに意味がある」。とにかくやる!という目的で走り続けている。
しかし、ほんとにやるのかい?
いま立ち止まって、しっかり考えましょうよ。
主な新聞社はオフィシャルスポンサーだし、スポンサー、サポーターにCMのお得意さんの有名企業がずらりと並んでいれば民放テレビだって厳しい批判は難しいかな。
このまま、どんな意味があるかも分からないまま、ただの無観客競技会がだらだらと行われるのだけはやめましょうよ。
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きょうはPCR検査で都心へ。
近く、地方に取材に出る予定で、しかも高齢者に接する可能性が高い。取材先に不安を持たれないように検査を受けておこうと思ったのだ。
検査所は新宿。地図を頼りに行くと、そこは歌舞伎町。飲み屋や食堂がならぶごちゃごちゃした一画で、つぶれた立ち食いそば屋に居抜きでオフィスを開設したかのような雰囲気だ。
列に並んで、つぎつぎにキットを渡されて、ブースで各自唾液を容器に入れて提出する。流れ作業である。
ブースといっても、立ち食いソバのカウンターみたいな長い台を間仕切りで区切った狭いコーナー。そこにレモンを手で絞る写真と梅干しの写真が貼ってある。唾液が出やすいようにだな。これには笑った。
PCR検査というから、多少は「厳かな」雰囲気かと思いきや、あまりの「カジュアルさ」に驚く。値段は2300円。
私の前後で検査を受けた人は、若い人ばかりだった。多くが領収書を要求していたのをみると、仕事上の必要で検査を受けにきていたのだろう。
政府が検査体制を本気で拡充しないから、無症状で検査を受けたい人は、こうした民間業者に頼ることになる。受けたい人はたくさんいるのだ。
いまからでも検査体制を抜本的に改善してほしい。