日本のコロナ対策は国民の努力頼み

 山形の友人から桜桃=さくらんぼをいただく。

f:id:takase22:20210629230715j:plain

何十年ぶりの不作だったそうだ

 今年は凶作だったそうで、例年より味も落ちるらしいが、この季節には欠かせない。品薄で高かったんじゃないかな。感謝。
・・・・・

 このかんのニュースから。
 フィリピンのベニグノ・アキノ3世前大統領が24日、61歳で死去した。腎臓病だったそうだ。政治エリートのアキノ家の生まれで、愛称は「ノイノイ」。

f:id:takase22:20210629230855j:plain

wikipediaより

 父はマルコス独裁政権に対抗し、1983年に凶弾に倒れたベニグノ・アキノ(ジュニア)元上院議員。母、コラソン・アキノ氏はその遺志を継いで86年に大統領選に立候補、「ピープルパワー革命」で大統領に就任した。

 ノイノイには個人的な思い出がある。私がフィリピンで最初にインタビューした人なのだ。

 83年8月21日、国外追放されていた父のアキノ上院議員が、身の危険を押して、追放先の米国から帰国。マニラ国際空港に到着直後にタラップの上で暗殺されるという大事件が起きた。これでフィリピンに怒涛のような民主化運動が起きる。

 当時、日本電波ニュース社バンコク特派員だった私は、本社からフィリピン出張の命をうけ、おっとり刀で飛んでいったはいいが、フィリピンは初めてで土地勘もコネもない。
 何を取材したらいいかもわからず、とりあえずアキノ家にでもとタクシーで乗り付け、ピンポンしたら若い男性が出てきた。アキノ上院議員の息子だというので、じゃあ、インタビューさせて、と家に上がり込んでカメラを回した。それがノイノイだった。アポもなく、たった一人でやってきたどこの馬の骨とも分からぬ私に、とても親切に応対してくれた。ずいぶん気さくな人だなと驚いた。

takase.hatenablog.jp

 ノイノイは98年に下院議員として政界入りしたが、目立たぬ存在だった。周りから押されて臨んだ大統領選で圧勝する。
 2010~2016年の大統領在任中、中国が、フィリピンが領有権を主張する南シナ海の海域の島々を次々に実効支配し、埋め立てや基地の拡張を進めた。アキノ政権は、13年に国連海洋法条約に違反するとして常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に提訴。仲裁裁判所はアキノ氏退任後の16年7月に中国の主張を退けたが、中国は判決の受け入れを拒否。中国の権益の拡大を阻止できないままでいる。

 死去の報を聞いて、初対面のやさしい笑顔を思い出した。
・・・・・・・・
「朝日川柳」より

 打て打てと発破かけたがタマがない (神奈川県 赤木不二男)
 玄関に人の通れる笊(ざる)があり (埼玉県 金子雄一)
 リバウンドだけが持ってるスピード感 (東京都 上田耕作)
    この道はいつか来た道お家芸 (福岡県 山崎千恵)

 いやはや・・・相変わらず腑抜けたようなコロナ対応をする政府にあきれる。

 英国帰りの公衆衛生学専門家、渋谷健司さんのコメントが日本の対策を国際比較しながら評していた。去年からテレビに登場していたから、知っている人も多いだろう。

 感染症対策の基本は三つです。一つ目が感染経路の遮断、つまりマスクや手洗い、三密を避けること。二つ目が、検査をして感染者を見つけて隔離する。三つ目が免疫をつけるワクチン。日本では一つ目がメインで、国民の自主的努力に頼ってきました。敬服するほど皆さん努力してきたと思います。
 二つ目の検査は、ずっと抑制されてきた。社会経済を回すための検査がもっと必要だと私は主張してきましたが、なかなか増えません。多くの人が安心を求めて民間検査をしているのも日本の特徴だと思います。
 ワクチンの承認プロセスは何カ月も遅れました。日本人での治験をせずに緊急承認する選択もあったのに、そうしなかった。緊急時ではない平時のプロセスでやっているようにみえます。

 的確な評だと思う。政府には危機感が今もまだ足りず、国民の努力に頼りすぎでみんな疲弊している。

www.youtube.com

 

 渋谷さんは英国キングス・カレッジ・ロンドンの教授だったが5月に帰国し、福島県相馬市の新型コロナウイルスワクチン接種メディカルセンター長に就任した。「今は国難の時期で」「貢献したい」との思いで帰国したという。

 「相馬モデル」という方法を実施している。接種する日時を地区ごとに決めた集団接種を基本にし、予約は不要で、その日に会場に来ればいいというもの。7月中旬には、16歳以上の希望者への接種がほぼ終了する見込みだという。(以上、朝日新聞28日)

 政府がやらない分、民間では現場で知恵を出し合って工夫を重ねている。
 コロナ対策にまで自助でという菅政権。都議選でも痛い目に合わせないと。