庭から道路に垂れ下がるように咲く赤い花を見かけるようになった。ノウゼンカズラ。平安時代に唐から入ってきたらしい。
写真のこれはアメリカ原産のアメリカノウゼンカズラのようだ。夏の花である。
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小池都知事のお膝元の東京都職員が、知事に不信感を持っていることがわかった。
都職員や区市町村職員向けの専門紙『都政新報』が今年1月に実施した「小池都政」に関するアンケートで、回答した223人の都職員の、都知事1期めについての評価は、平均46.4点との結果が出た。石原慎太郎のときが1期めで71.1点、舛添要一で63.6点だったから、かなり低い。
さらに、同アンケートで「小池氏の再選出馬に賛成」と回答したのは、21.5%にすぎなかった。一方、「再選出馬に反対」は、42.6%と倍近い。
不信感の理由に、パフォーマンスで自分を目立たせることしか考えていないことがあげられるという。(週刊FLASH 2020年7月7日号)
https://news.yahoo.co.jp/articles/86326b97146045e47147fd24223c5fa9e335a3db
このアンケートは今年1月で、その後のコロナ対策で世論は高評価だというが、都庁職員は今どう思っているのか。内部から見た評価を聞いてみたい。
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前回は小池百合子氏と拉致問題とのかかわりを紹介したが、彼女と北朝鮮との関わりはもう一度あった。
2002年11月はじめ、小泉訪朝を受け5人の拉致被害者が帰国して半月後のこと。脱北者を支援する日本の人権団体の幹部が中国で拘束されたとのニュースが流れた。
「北朝鮮難民支援NGOの代表が行方不明―同行の日本人通訳も不明
北朝鮮から中国への亡命を支援しているNGO(非政府組織)『北朝鮮難民救援基金』(中平健吉代表)の加藤博事務局長(57)が中国・大連市で行方不明になっている問題で、通訳として加藤事務局長に同行していたとみられる水田昌宏さんも消息を絶っていることが3日、分かった」(毎日新聞朝刊 02年11月4日)
(基金による事件概要はhttp://www.asahi-net.or.jp/~fe6h-ktu/topics021107.htm)
実は加藤博さんとは懇意の間柄だ。私が前に所属していた「日本電波ニュース社」の出身で先輩にあたる。
「北朝鮮難民救援基金」を設立したあとは、脱北者取材でお世話になった。日本から北朝鮮に渡った「帰国者」で脱北した人をこのNGOは数多く救っており、私は中国東北部に潜伏している脱北者の救援に行く加藤さんに複数回同行して取材している。
加藤さんはこのとき、冬季救援活動として、北朝鮮難民と北朝鮮国内におくる冬服400着や定期的な食糧・医薬品を準備していた。二人は10月30日深夜、突然ホテルの部屋に入ってきた中国公安に拘束され、11月6日に釈放された。
加藤さんは拷問を受けたうえ、電話番号などを書いたメモやカメラなどを没収され、それまでに築き上げた救援ネットワークに壊滅的な打撃をこうむった。
このとき加藤さんと一緒に拘束された水田昌宏氏は、小池百合子氏の「甥」だったという。この時の報道によると年齢は30歳、吉林省の延辺大学の留学生とされている。
「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)のHPには以下の文章が載った。
《ちなみにもう1人拘束され、解放された水田昌宏さんは小池百合子拉致議連副会長の甥でした。
小池副会長は「もし甥が北朝鮮に連れていかれたなら私も家族会に入らないといけないのかしら」と言っていましたが、幸い冗談ですみました。》
事態が緊迫しているときに、よくまあ、「私も家族会に入らないといけないのかしら」などと言えるものだが、この「甥」こそは、いまや小池氏の「金庫番」として注目されている人物だ。
石井妙子『女帝 小池百合子』の後半に、もっともミステリアスな人物として、この水田昌宏氏が登場する。
小池百合子氏が02年当時「甥」と言っていた水田氏だが、のちには「母方の従弟」という説明になり、04年に小池氏の秘書、05年には「大臣政務秘書官」の肩書を持つまでになる。
2010年からは「エコだハウス」で土地所有権を半々にして小池氏と同居するにいたる。「エコだハウス」とは環境への配慮をアピールするため、ゴロにこだわって練馬区江古田に建てたエコハウスだ。
水田氏は小池氏のために、怪しげな不動産取引で巨額の資金を調達していたとみられる。また、PR会社「ベクトル」(東証一部)は小池氏の選挙キャンペーンはじめ、東京都のイベントなどにも深く食い込む、いわば小池氏御用達企業だが、水田氏はこの企業とも特別の関係を持っているようだ。
水田氏については、『女帝』著者、石井妙子氏も懸命な取材をし本書の8ページを費やしているのだが、人物像に迫り切れずに終わっている。
「基金」の加藤博さんによると、1996年ごろ早稲田大学在学中の水田氏が加藤さんの講演会を聞きに来て知り合ったという。卒業後、中国に留学して中国語と朝鮮語を学んでいた彼に通訳を頼み、大連で落ち合った直後に二人して拘束されたという。小池氏の「親戚」だと知ったのは解放されたあとだった。
加藤さんが水田氏と小池事務所に挨拶に行って、「中国の乱暴なやり方を注意してください」と言ったら小池氏に「私は台湾派だからダメよ」と言われたという。水田氏とはその後、疎遠になったそうだ。
この02年の拘束事件までは、小池氏は水田氏のことをほとんど知らず、会ったこともなかったらしい。
《拘束事件が小池と水田とを引き合わせるきっかけとなったようだ。その後、留学を終えて帰国した水田は、小池事務所に出入りするようになる。「小池さんが二階さんに頼んで救ってくれた。そうでなければ、もっと長く拘束され、殺されていたかもしれない」と周囲には語っていたという。
一方、小池もまた、水田という存在を積極的に語るようになる。北朝鮮拉致問題に関わる彼女にとって「脱北者を支援して拘束された親戚」がいることは、プラスに働くと考えたのだろう。》(『女帝』P297)
水田氏が中国に拘束されたとき、小池氏は中国通の二階俊博に相談したと言われている。二階氏は今回の都知事選で東京都連に小池支持をのませ、小池氏をバックアップしている。
いまのところ水田氏に関してはこれしか情報がないのだが、小池百合子氏のお金の「闇」に関するキーパースンだとされているので、今後も注目していきたい。
さて、ベストセラーの『女帝』だが、周知のとおり、テーマの中心は小池氏の学歴詐称問題だ。学歴を詐称する政治家は数多いが、彼女の場合はその重要性が異なる。
彼女がテレビ界から政界に進出し、都知事までのし上がっていくのに必須のアイテムが「カイロ大学卒業」(しかも日本女性ではじめて)だった。小池氏の最大のセールスポイントであり、アイデンティティの根幹である。
小池百合子氏は前回の都知事選の公約で、「情報公開は1丁目1番地」と言っている。
これだけながく疑惑が取りざたされているのだから、大学を卒業しているのなら、その証明を示すのが、最低限の情報公開だろう。