北朝鮮でスキャンダル隠しの公開処刑

takase222013-09-23

ある番組が追い込みに入っている。
OAが近づくと「プレビュー」がはじまる。昨夜は最初のプレビューで、夜9時から今朝方4時までかかった。始発で帰宅して仮眠をとる。
こないだ、同年の友人と電話で話したさい、「おれ、今でも時々徹夜するんだよ」と言ったら驚かれた。彼は、体力に自信がなくなったと、会社を辞めたところだった。
いつまで仕事するのと聞かれたから、「そうだな、『死ぬまで』かな」と答えると絶句していた。でも、最近はさすがに徹夜はこたえる。
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最近のニュースから。
まず、北朝鮮公開処刑のニュース。
先月末、韓国紙は、金正恩(キムジョンウン)が、かつて妻の所属した楽団のメンバーを公開処刑したと報じたが、朝日新聞が独自取材で記事を出した。
北朝鮮で8月、金正恩第1書記の夫人、李雪主(リソルチュ)氏の不祥事が持ち上がり、事実を隠蔽するために関係者の公開処刑が行われた。李氏がかつて在籍した銀河水(ウナス)管弦楽団は解散したという。日韓両政府も事実関係を確認した模様だ。
 最近脱北した北朝鮮高官が明らかにした。不祥事の発端は、銀河水管弦楽団と旺載山(ワンジェサン)芸術団の団員9人が、自らが出演するポルノを制作した事件。警察にあたる人民保安部が9人の会話を盗聴し、「李雪主も昔は、自分たちと同じように遊んでいた」という会話を傍受したという。
 正恩氏は李氏に関係する醜聞が外部に漏れることを懸念。8月17日に9人を逮捕した後、裁判にかけずに3日後の20日、平壌市の外れにある姜健軍官学校の練兵場で、軍や党の高位幹部や楽団関係者が立ち会うなか、9人を銃殺した。》【機動特派員・牧野愛博】
6月4日に金正恩が出した、わいせつ物閲覧禁止の指示が発端になったという。
二つとも金正日が作った楽団で、李雪主は銀河水楽団の歌手だった。両楽団とも8月上旬から公式メディアに登場せず、北朝鮮が海外にサーバーを置くビデオ会社でも、両楽団の音楽がダウンロードできなくなっており、処刑情報は本当らしい。
金正恩が軍の実権を握ってから、大量のむごたらしい処刑が実施されたことがすでに報じられていたが、この人物が、スイス留学経験のある「開明派のプリンス」などでは全くないことがますますはっきりした。
このニュースに関連して、三つのテレビ番組から弊社に公開処刑の映像使用の申し込みがあった。私たちは、2005年に中国国境に近い会寧(フェリョン)で行われた2件の公開処刑を撮影した映像を入手してテレビ局などに提供している。また、英語版のDVDを制作して「北朝鮮難民救援基金」に納品し、国際機関などにも提供された。
http://www.jin-net.co.jp/houdou1.htm
数千人の民衆の前で、裁判官が判決を読み上げ、その場で即銃殺される。これを小学生らも見物させられる。お上に逆らわないようにとの見せしめだ。
ソ連共産党は、権力の中枢にゴルバチョフという鬼っ子を生み出し、情報公開と政治改革に踏み切って自滅・自壊した。このパターンが今の北朝鮮に当てはまらないことは明白だ。では、どうすればあの権力を動かせるのか・・・
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次は中国。
きのう、収賄罪などに問われた中国重慶市の元トップ薄熙来被告の公判で、無期懲役の判決が出て「法治」をアピールしたが、その一方で、日本から中国に里帰りした人々が、現地で長期にわたり消息が途絶えているとのニュースが流れた。(写真)
《中国外務省の洪磊(こうらい)副報道局長は十一日の定例記者会見で、上海で行方不明になっている日本の東洋学園大教授の朱建栄氏(56)について「朱建栄は中国(籍)の公民だ。中国は法治国家であり、公民は国の法律法規を順守しなければならない」と述べ、中国国家安全省がスパイ活動の疑いがあるとして朱氏の身柄を拘束していることを事実上認めた。(略)
 また、日本で発行する中国語紙「新華時報」の編集長、蘇霊氏が北京に出張した今年五月以降、消息を絶っていることが明らかになった。蘇氏も日中関係改善に向け積極的に活動し、日本国籍を取得した中国人を国政に送り出す運動などを続けていた。》(東京新聞9月12日)
私は朱さんにインタビューしたり、報道番組に出演交渉したりと直接に知っている。彼は中共を擁護する立場と言ってよく、当局の恨みを買う材料が思い浮かばない。
逮捕状も裁判もなく身柄を拘束するとは、「法治」とはかけ離れている。どう、付きあっていくべきか。
そんななか、きょう注目すべきニュースが。
《中国政府は23日、核兵器など大量破壊兵器と関連があるとして、北朝鮮への輸出を禁止する物資や技術のリストを公表し、同日から禁輸措置を取ると明らかにした。国際社会で中国に対し、北朝鮮への影響力行使を求める声が強まる中、北朝鮮の核開発を容認しない姿勢をアピールする狙い。
 北朝鮮は核問題をめぐる6カ国協議の無条件再開を求め、政治・経済的つながりの深い中国もこれに理解を示している。しかし、日米韓3カ国は「非核化に向けた北朝鮮の行動が協議再開の前提条件だ」と譲らない姿勢を維持している。このため、中国側はあらためて、協議の早期再開への道筋を付けるため、国連安全保障理事会の対北朝鮮決議を実行する構えを明確化したといえる。
 中国商務省が公表したリストは200ページ以上にわたる。》(共同)
どれだけ本気かは不明だが、北朝鮮を動かす一つの方法は、中国への圧力だ。