劉暁波氏の死を悼む 2

 今週はけっこう働いた。Mr.サンデー放送の後始末をしながら、番組企画書を3本書いてテレビ局に提案、改正派遣法施行への対応をテレビ局と打ち合わせ(弊社は3人をテレビ局に派遣している)、さらに編集の最終段階に入っている作品の試写もあった。
 それに、小なりといえども会社を経営していると、資金繰りをはじめ、無線LANなど施設の不具合やら撮影機材の紛失やら大小のトラブルは連日のことだ。ああ、本が読みたいな。仕事の本じゃなくて好きな本が。明日明後日は、あまり予定が入っていないから読書の時間が持てそうで、楽しみだ。
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 夏が好き されど昔の夏が好き (朝日川柳)

 図書館前、真っ青な空、強い陽射しの中の緑の木々を見ていると、子どもの頃の夏休みを思い出す。東北は休みの入りが遅く、私の小学校時代は7月24日の神社のお祭りの翌日から夏休みだった記憶がある。あのころのうれしさは格別だった。
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 劉暁波氏の死去を受けて、中国当局への反発は高まっているが、中国の国力の前に、国際圧力は弱まっているという。
 13日、ノルウェーのノーベル委員会のライスアンデシェン委員長が声明を出した。劉暁波氏の病状悪化が報じられた際に、中国政府を非難しなかったノルウェー政府などを念頭に「民主主義や人権を尊重する自由世界の旗手たちが、他者の権利のために立ち上がらろうとする意欲が低かったことは、悲しく気がかりな事実だ。」と批判した。
 ソルベルグ首相の声明は「我々の思いは家族と共にある」と哀悼の意を示すだけで、中国政府の対応には一切触れない内容だった。ノルウェー政府と中国の外交関係は、劉氏が平和賞に決定した2010年以降、極度に悪化。中国政府は政府関係者へのビザ発給を制限したほか、ノルウェー産サーモンの輸入を規制するなど、経済面でも報復的な圧力をかけていた。》ソルベルグ首相が今年4月に訪中してようやく関係が正常化したばかりだった。毎日新聞14日)
 しかし、ノルウェーだけでなく、アメリカ、ドイツなど他の欧米諸国も劉氏への哀悼の意を示したものの、中国の機嫌を損ねないよう、当局批判は慎重だという。
 《過去、国際社会の強い圧力を受けて服役中の受刑者を出国させるなどの譲歩をしてきた。ところが、今回は劉氏の出国を認めなかった。世界2位の経済大国となった中国に対し、人権問題を批判する国際社会の声は確実に弱まっている。》朝日新聞15日)
 わが日本はというと、岸田文雄外相は14日の記者会見で「引き続き高い関心を持ち、中国の人権状況を注視したい」と述べるにとどめた。尖閣問題などでは勇ましいのに、人権の問題では気の抜けたような対応しかできない。日本の病院で引き受けますからと劉氏の出国を要求するくらいはやればよかったのに。


 ノーベル委員会のライスアンデシェン委員長は葬儀に参列したいとビザを申請したが拒否された。劉暁波氏の遺体は15日、遼寧省瀋陽市で火葬に付され、省内の海に散骨されたという。一路走好!

 一方で、劉暁波氏は漢族だから、まだましだったという声がある。日本ではあまり報じられないのだが、チベットウイグルでは比べものにならないほどの人権蹂躙が行われているという。ある若い日本人がウイグル旅行で撮った写真がこれ。モスクに「愛党 愛国」の赤旗がとりつけられている。弾圧のすさまじさが想像できる。
https://twitter.com/yuhji40818/status/885141011197861888
 この町では、漢族を移住させるため、中心部がどんどん取り壊されているという。
 小さくとも、声をあげつづけていかなくてはならない。